東京オリンピックが1年の延期を経て開幕し、連日、日本のメダル獲得に沸いています。開幕直前までゴタゴタが続き、今もコロナの感染者が爆発的に増える中での開催。加えて猛暑に台風と、問題があり過ぎる日本でのオリンピックですが、アスリートたちが見せてくれる感動というものは、何物にも代えがたいものであると改めて感じます。
私も、NHK・Eテレの夜中継で進行のアナウンスをさせて頂いていますが、競技以外の問題については、目を背けることなく、しっかりと厳しい目を向けつつ、アスリートへのリスペクトを忘れずに、無観客オリンピックのテレビ観戦のお手伝いが出来ればと連日、頑張っています。
さて、中央競馬では、先週から夏の新潟競馬が開幕しました。新潟の名物というと、芝直線1000mのいわゆる「千直競馬」。25日には重賞アイビスサマーダッシュが行われました。レースは、1番枠を引いた菅原明良騎手のバカラクイーンが、ただ1頭内ラチ沿いを通って、16頭中14番人気の低評価ながら3着。
外ラチ側にゲートが設置される「千直競馬」は「外有利」とされる中、春の連続開催で使われていなかった開幕週のAコースを敢えて狙った戦法は「千直競馬」の奥深さを感じさせました。
この「千直競馬」で思い浮かぶのが、去年7月25日の土曜新潟1レースで行われた2歳未勝利戦です。出走馬16頭中12頭が(有)ミルファームの所有馬。白・赤格子・赤袖の勝負服がズラリと並びました。
(有)ミルファームの所有馬は2017年8月5日の新潟2レースに9頭、2018年8月4日の新潟2レースにはミルファーム・清水敏代表の個人名義も含め10頭、2019年8月3日の新潟4レースでも9頭を出走させていましたが、同一馬主による12頭出しは去年のレースが史上最多でした。
そこで気になるのが実況アナウンサーの苦労です。中央競馬の実況は、基本的に勝負服を見分けて実況します。しかし、小倉競馬の九州産馬限定戦などでも見られることなのですが、同一馬主が多頭数出走させているとなると、枠帽やゼッケン、馬の毛色での区別も必要になります。
かと言って、枠帽は染め分け帽だらけ。さらに直線競馬ですから、隊列も生まれず、しかも1分足らずで終わってしまう1000m戦ですから、全頭を実況するのも至難の業。まさにS難度のレース実況なのです。
さて、今年は8月1日(日)の新潟2レースで、千直競馬の2歳未勝利戦が組まれています。このコラムを執筆時点で出走メンバーは不明ですが、夏の新潟競馬・千直の2歳未勝利戦“ミルファーム祭り”は、もはや夏の風物詩。例年、ラジオNIKKEIの実況は大関隼アナウンサーが担当することが多いようですが、その時は是非、競走馬とともに、実況アナウンサーも応援してあげてくださいね。