プレミアムコース限定で開催している、競馬界で活躍されている方をお迎えしてのトークコンテンツ『亀トーク』。
第20回となる今回は、元JRA騎手の佐藤哲三さん、亀谷競馬サロンで「TAROのジョッキーズファイル」を連載中の競馬評論家・TAROさんをお迎えして、【騎手×馬券】をテーマにジックリお話を伺いました。
レギュラーコースの皆様には、その一部をテキスト版にて公開いたします。亀トークの完全版(動画)につきましては、プレミアムコース会員限定の非公開Facebookグループにて既に公開中です。
TARO:早速、今回のテーマの核心を突くような質問からなのですが、哲三さんは馬券を買う時に「騎手」の要素はどのくらい考慮しますか?
佐藤:基本的にはお馬さん重視ですね。クセがある馬だな~とか、展開的に厳しくなりがちかな?と思っても、騎手が巧くリカバリーしてくれるだろう、という前提で買いますね。あとは枠の並びとか展開とかを読む際には考慮することはあるかもしれないですね。
亀谷:まずは馬の能力を見極めて、そこからその能力を発揮できる並びや状態なのかを判断されているということですね。
佐藤:どうしても「自分だったらこう乗るな~」という思いが入ってしまうので。
亀谷:意外と聞いたことが無かったのですが、哲三さんと似ているジョッキーって誰だと思いますか?
佐藤:こんな変な奴いないでしょ!(笑) だからあんまり騎手については重視しようがないというか。
TARO:次にお聞きしたいのが「新馬戦」についてなのですが、新馬戦での経験というのは馬の成長への影響は大きいのでしょうか? 例えば、ある程度最後は馬なりで流す方が良いのか、最後までびっしり追う方が良いのか。例えばムーア騎手とかは最後までびっしり追いますよね。
佐藤:僕はその時の馬の状態の中で目イチで追いたいタイプでしたね。そういう意味ではどちらかというとムーア騎手に近いかな? その中で、先行してラスト3Fを34秒~35秒台で目いっぱい追うのか、後方から33秒台の末脚で目イチで追うのか、とかでもその意味は違ってくるとは思いますけどね。
亀谷:それは確かに違うかもしれないですね。気持ちよく最後まで走りきるのか、脚を溜めて最後に伸ばす競馬をしたのか。
佐藤:あと、「馬群を割って伸びてくる経験をさせる」とか、「今回は脚を溜めて末脚を伸ばす経験をさせる」とかっていうのを“馬に教え込む"、というような話ってよく聞くじゃないですか? 個人的にはそういうのは別に必要ないというか、馬にとってはそういう経験はかえってストレスだと思っていましたね。
だから避けられるのなら避けてあげたいし、もしそういう競馬をするとしてもここ一番!って時だけ。なので、「この馬は良いところまで行けそうだ」という馬に乗せてもらったときほど、馬にとってしんどいことはしてこなかったですね。
亀谷:佐藤さんは常々、カラ馬(騎手が乗っていない状態の馬)のような感じで走らせるのが理想、馬の邪魔は極力したくない、とお話されていますもんね。
TARO:続いて、騎手によって「芝向き・ダート向き」というのはあると思いますか? 例えば川田騎手とかはダートの方が活躍しているようなイメージだったりするのですが。
佐藤:僕の話でいうと、エスポワールシチーに出会うまではダートの成績が悪かったんです。でも、エスポ君とか、他のいろんな馬と出会って経験していくうちに、前に行く方が現代の競馬では有利だというのを理解するようになって、ダートでも勝てるようになりましたね。
そういう意味では、芝の乗り方、ダートの乗り方というのはそれぞれあるのかなとは思いましたね。そのレンジの広さというか、いろんな引き出しがある騎手だと、どちらもうまく対応してくれるのかなと思いますね。
TARO:騎手の個性でいうと、よく出遅れてしまう騎手とかもいるように思うんですが、その辺はいかがでしょうか?