YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは4/24(水)の大井・羽田盃。発走時刻は20時10分です。
~穴馬の共通点は“先行馬”~
長らく南関東三冠の一冠目として行われてきた羽田盃ですが、2024年からはJpnIに格上され、日本競馬におけるダート三冠競走の初戦として開催されることになりました。
三冠初戦の分、前哨戦の雲取賞ほどではないものの、スタートから1角までが300mと短めのため、比較的早めに先行争いが収まりやすいのが大井ダ1800m戦の特徴。過去10年で4番人気以下の3着内馬12頭中9頭が初角5番手以内という傾向にあり、2022年のようなハイペース戦にならない限りは先行馬に穴馬が隠れている可能性が高いです。
JRA勢の参戦によりメンバー間のレベル差が開き、前哨戦がほぼ大井の中距離コースで行われることからも、波乱の少ないレースになることが予想されます。特に8頭立ての今年は波乱決着は期待薄ですが、勝ちポジションを取れる先行力は有力馬にとっても重要な資質となりそうです。
~2024年はサンデーサイレンス系に注目~
血統面でも雲取賞と同じくトランセンドやパイロといったWild Againの影響を強く受け継ぐ種牡馬の活躍が目立ちます。Wild Againは父Icecapadeから非凡なスピードを受け継ぎつつ、Nearcoの3×4やHyperionの4×3からスタミナ面を強化した北米血統では異質な存在。先行力と終盤でバテない粘り強さが魅力の血筋で、日本の種牡馬ではトランセンドやパイロ、ジャスタウェイなどがこの血を引いています。
◆Wild Again
2016年1着タービランス:父パイロ
2018年3着ハセノパイロ:父パイロ
2019年1着ミューチャリー:父パイロ
2020年1着ゴールドホイヤー:父トランセンド
2021年1着トランセンデンス:父トランセンド
2021年3着ランリョウオー:父パイロ
2022年1着ミヤギザオウ:父パイロ
ただ、残念なことに今年はWild Againの血を持った馬が出走しません。さらに前哨戦の血統傾向を見ると、ゴールドアリュールなどサンデーサイレンス系の活躍が目立つのが今年の大井競馬。雲取賞も京浜盃も、3代内にサンデーサイレンスの血を持った馬が馬券圏内を独占しています。
元来、羽田盃はペースが落ち着きやすいことからサンデーサイレンス系の好走が多いレースでもあっただけに、今年は芝中距離向きの瞬発力が活きる競馬になるのではないでしょうか。
ちなみに、今年のメンバーでサンデーサイレンスの血を3代内に持つのはアンモシエラ、ハビレ、アマンテビアンコ、ティントレット、ブルーサンの5頭です。
【羽田盃の最終見解】