亀谷敬正 オフィシャル競馬サロン
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黄金旅程な週末
2024/06/06 (木)

#20 一族の走りはともかく、相手は確実に来ている。今日は行けそうな気がする。/黄金旅程な週末

小説『不夜城』や『少年と犬』などで知られる作家・馳星周さんによる競馬エッセイ『黄金旅程な週末』。ステイゴールドとその一族の熱烈なファンである著者の奮闘振りをお楽しみください。

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 週中、想定出馬表を見て溜息。

 今週は一族の出走少ないなあ……。

 元々、ローカルが得意な馬が多いためか、そもそも二場開催の時は出番が少ない。おまけに、一流騎手が一つ所に集まるから波乱も少ない。

 そんなわけで、二場開催の時は今ひとつテンションが上がらない我ら夫婦なのだ。

 それでも競馬は行われる。

 東京2Rは共に母父ステイのハクサンマロンとゴールドタリスマン。タリスマンは足りないけど、マロンは馬券内なら十分にある。

 1番人気アルプスオジョー、4番人気フェレザ3連複1点でまずは本日のツキを占う。

 オジョーとフェレザが1、3着もマロン5着まで。くぅ……。

 京都3Rはレインボーライン産駒のヴェストランとイエデゴロゴロ。どっちでもいいから勝ってレインボーラインに中央初勝利をと両者の単勝。それとゴロゴロと2番人気アーバンエアの馬連。

 上京して同窓会に出るという妻を駅まで送って戻って来ると、イエデゴロゴロが勝っていた!! 

アーバンエアは飛んでたから単勝押さえておいて正解。レースを見直す。強いじゃないか、イエデゴロゴロ。

 ありがとう。嬉しい。こんなに嬉しいことはない。

 東京3Rは一族3頭が顔を揃えたが、どの馬も足りそうにない。もう、番組を選んでる場合じゃないとはいえ、府中ダートマイルとかありえんよなあ。

 京都、東京4Rもケン。

 東京5R新馬戦。ウインブライト産駒の初お目見え、バセリーナ。頑張ってくれよと、2番人気ルメさん騎乗のウィンターベルとの馬連ワイド。

 ウィンターベル、前評判どおりの新馬勝ち。バセリーナ、道中後方からしぶとく伸びて4着。前の3頭からは離されていたけど、よく頑張った。いずれ勝ち上がれる。ブライト産駒、調教見る限り早仕上がりの仔が多そうで期待が大きい。

 京都6Rはオルフェっ仔のジュエリジュエリー。2番人気サトノアイオライトとワイド。アイオライト1着もジュエリー掲示板まで。

 京都7Rにアスターブジエ。馬券内は固そうだが少頭数で馬券の買い方が難しい。1・2着にブジエと1番人気のチェレスタを揃え、3着に2番人気タガノデュードを据えた3連単で行ってみる。

 結果、2、3、4着(涙)。3着がブジエ。一族を3着にした3連単なんて買えないのよ。

 東京10R由比ヶ浜特別はバウンシーステップが1倍台の1番人気。マジかよ。みんなわかってねえなあ。差し馬の武史でそんな人気ありえねえだろう。

 そんなわけでケン。不安的中でバウンシーステップ3着。

 京都メイン鳴尾記念。馬場が速すぎてバビットはきついよなあと思いつつ、ボッケリーニとヨーホーレイクの金子2頭軸3連複でバビット、エアサージュ、ディープモンスターに流す。ロードデルレイが飛んでくれたら結構つきますよ、右回りやばそうだしね、うしし。

 そうほくそ笑んでいたら、ゲート入り前、ロードデルレイがまさかの除外。

 バビット、ずっとマークされて苦しくなり、直線で失速したものの、ヨーホーレイク、ボッケリーニ、エアサージュでの決着。見事3連複を仕留めたが、ロードデルレイの除外で配当暴落。10倍しかつかなかった。結局、1、2、5番人気だもんなあ。溜息しか出ない。

 10倍の単勝と3連複を取っただけで微プラ。もうひとつ当てて明日の資金を増やそうと東京12Rにも参戦。

 馬柱を凝視し、穴馬には松岡騎手騎乗のムコウジマランプを指定。1番人気イサチルカゼニタツは固いだろうと馬連ワイド。

 ムコウジマ、こちらの期待に応える激走で2着!! が、イサチルカゼニタツがどこにもいない~。マジかよ、ウチパク。

 ムコウジマの複勝が10倍ついていた。複勝にしておけばよかったよ~。

 日曜日。前日よりさらに一族が少ないし、安田記念にも出走はなし。妻もひどい二日酔いなので(苦笑)、ゆるりと競馬をやることに。

 まずは京都1R障害オープン。一族のタンジェントアークが舐められた人気。前走はスタート後にちょっとした不利があったりして着が悪かっただけなんだよね。あ、鞍上が土田君か。それ込みでこの人気なのね。

 確かに鞍上は不安だが、馬の力を信じてスマッシャーとのワイドを。

 タンジェント、スタートで負けして道中後方、直線、なかなかの脚を見せるも届かず。やっぱ、鞍上不安が的中した形。若手ジョッキーに経験を積ませなければならないというのはわかるが、他の馬でやってくれよという我が儘が出てしまう。

 京都2Rはアイレント。オルフェっ仔のダート替わりということで一発狙ってみることに。ダートで走る子は多いけど、砂がだめでさっぱりという子もいる。さて、アイレントはどっちかな。4番人気ウェイトゥゴーとのワイド。

 スタートはまずまずも、その後、ずるずる後退。だめな方の子でした。ウェイトゥゴーは1着。一族の走りはともかく、相手は確実に来ている。今日は行けそうな気がする。

 東京2Rはゴルシっ仔のハクシュ。良化が遅いんだよなあとケン。

 京都3Rは一族4頭。オルフェっ仔のユーヴェリアとトウカイエルデが人気。エルデは勝ち負け必至だけれど、ユーヴェリアは後方からの競馬になるから、展開によっては届かない危険性がつきまとう。エルデからユーヴェリアへの馬単。エルデから6番人気フェールブリエへの馬連ワイド。

 エルデ、ハナを切ってそのまま軽快に逃げ切り勝ち。フェールブリエが3着。ユーヴェリアはやっぱり末脚届かずのそれ4。とりあえず、ワイドは11倍。よしとする。

 とにかく、この時期の未勝利勝ちは嬉しさ倍増だ。

 京都6Rは母父オルフェのメイショウアラセツ。4番人気、カレンワッツアップとのワイド。この馬券は自信がある。

 ところが、蓋を開けてみるとメイショウの勝負服が3着も、それはメイショウコナン。メイショウあるあるだなあ。で、アラセツ7着、ワッツアップ8着。あの自信はなんだったんだろう?

 東京7Rは母父オルフェのバロネッサが1番人気。そりゃ、戦績や血統見りゃそうなんるんだけど、鞍上戸崎が不安でしょうがない。ゴルシっ仔のスノーディザイアもいるが、この子は時計のかかる馬場が必要。

 悩んだ挙げ句、ユタカさん騎乗のフォーザボーイズ、逃げるであろうエリカリーシャンの3連複。

 いざスタート。エリカ逃げずっていうか、バロネッサがハナを切る。マジか戸崎~。しかも掛かり気味。御せないなら出していくんじゃねえよ、ボケ。ルメさん、カンバック~。

 力んで逃げるバロネッサを追走のフォーザボーイズ、直線、余裕でバロネッサを交わしてゴール。

 レジェンドの掌で踊らされる戸崎かな。

 ああ、ほんとこの騎手とは相性が悪い。

 京都8R、母父ステイのバンボーレ。前走は前めにつけるという新味の競馬で4着。今日は前進だと思ったら、北村友騎手負傷で池添騎手に乗り替わり。途端に暗雲が垂れ込める。みなさんご存知、ダートで買える騎手じゃないもんね。

 それでも、オルフェの主戦だぞと自分に言い聞かせて2番人気ポッドロゴとのワイドを。

 バンボーレ、出負けして後方からの競馬。前走のチャレンジはなんだったんだよ。それでも、直線内を突いて伸びてきたが4着まで。ポットロゴ1着だったからなあ、悔しいなあ。これで2戦続けての4着。もうこの人気じゃ買えないのかしら。

 東京9RホンコンJCTにはゴルシっ仔のピンキープロミス。前走は人気薄で4着の好走。ここも前進あるのみ。2、3番人気ビターグラッセととリミットバスターとの3連複。

 ピンキー、微妙なスタートで道中やや後ろ目。3コーナー手前でずるずると位置が下がり、直線、なにもできずにただ流れ込む。

 前進あるのみだったのに……。

 そして迎えた安田記念。微妙な雨に微妙な馬場。パンパンの良馬場より時計がかかるなら、やっぱロマンチックウォリアーしかないっしょ。わたしが相手に選んだのはステラヴェローチェ。妻が選んだのがフィアスプライド。ロマンチックからのワイド2点。

 インディチャンプが勝ったのはもう何年前になるのだろうか。あのときは嬉しかったなあ。相手に不利があろうがなかろうが、インディチャンプが本当のチャンプになったのだ。妻なんかは「ただのGI馬じゃないのよ。アーモンドアイに勝ったGI馬なのよ」と大はしゃぎだった。まさか、ステイゴールドの血族からマイルのチャンピオンが出るなんてね。

 馬券も当たったし、最高の安田記念だった。が、インディの引退以来、我が家にとっては普通のGI。馬券も2点だけでおとなしく観戦する。

 ロマンチック、マイルで追走がどうかと思ったのだが、なんなく先行し、ノリさん騎乗のステラヴェローチェのブロックもなんなくかいくぐり、なんなく抜け出して、なんなく優勝。つえ~。

 大外を突っ込んで来たナミュールとソウルラッシュが2、3着でまあ固い決着。それでも、ロマンチックとナミュールのワイドが10倍超えていた。余計なこと考えずに素直に強い馬ピックすりゃよかったのだが後の祭り。

 このままでは終われないと京都最終に参戦。

 なんかいきなり豪雨になってますよ。これは荒れますよ。妻と角突き合わせてピックした穴馬がデイトナモードとメイショウコギク。どっちにするかああだこうだ議論した結果、デイトナから人気馬へ流したワイドを2点購入。

 で、人気馬全部飛んで、1着コギク、2着デイトナ、3着殿人気。

 両方来るんかい~!!

 逃がした魚は大きかった(溜息)。それにしても荒れすぎです。

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馳星周 近影

馳星周

1965年北海道浦河町生まれ。1996年『不夜城』で小説家デビュー。2020年『少年と犬』で直木賞受賞。

馬産地で生まれ育ったがゆえに馬を嫌い、長らく競馬とは無縁で過ごしてきたが、七年ほど前から夫婦で競馬にはまり、ステイゴールド一族を応援する日々を送る。好きが高じて競馬小説も書きはじめ『黄金旅程』、『ロスト・イン・ザ・ターフ』などを上梓。2024年春、凱旋門賞を目指すホースマンたちを描いた『フェスタ』を刊行予定

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