小説『不夜城』や『少年と犬』などで知られる作家・馳星周さんによる競馬エッセイ『黄金旅程な週末』。ステイゴールドとその一族の熱烈なファンである著者の奮闘振りをお楽しみください。
▼直木賞「少年と犬」映画化のお知らせ
第163回直木賞を受賞した馳星周さんの名作小説『少年と犬』(文春文庫)が映画化されることになりました。詳細は下記をご参照ください。
※映画.com
高橋文哉&西野七瀬、直木賞「少年と犬」映画化に主演! 監督は「ラーゲリより愛を込めて」瀬々敬久
お盆休みと共に夏が去って行った。北海道は土曜から急に気温と湿度が下がり、やっと北海道らしい爽やかな気候に変わった。
先週は日中、エアコンが稼働しっぱなしだったのだが、それも金曜まで。エアコン稼働日数もちょうど七日。去年の暑さを考えると嘘のようだ。
窓開けっぱなしだと寒いようと短パンをスエットに履き替えて、競馬開始。
まずは新潟1Rの障害戦にエンライトメントが出走。まだ時間がかかると見てケン。結果9着。
そのまま午前中はケンのレースが続く。
やっと馬券購入に動いたのが札幌7R。ウイントレメンデス。前走は一族のマイネルバーテクスにゴール前で差されてしまったが、ここは勝たなきゃ。鞍上の横山武史も、抜け出すとソラを使うこの馬のことはわかっている。
馬単で行くと決めたのだが、2番人気のレディマキシマが相手では配当がつかない。ということで、3、4、5番人気に流した馬単で勝負。午前中、お金使ってないからいつもより点数が多め。
トレメンデス、番手から直線抜け出す。ソラ使うなよ、真面目に走って真面目にゴールしろよ!! テレビの前で立ち上がって応援。
後続に4馬身差をつけて快勝。やっと勝ってくれた~。
が、2着に伏兵のサトノアライヴが来て馬券は撃沈。いいの、いいの。未勝利勝ち上がってくれたんだから。ここまで時間がかかるとは思ってもいなかったけれど。
続いて札幌8Rに堅実娘のヨドノゴールド。勝ってほしいけど、また2、3着なんだろうなあ……。7番人気、カップッチョとのワイドを摘まんでみる。
クビの上げ下げでカップッチョ3着、ゴールド4着(涙)。陣営も北海道に滞在している間に勝たせたかったんだろうが、そろそろ休ませてあげておくれ。
新潟8Rに3番人気ハイラントと7番人気ペネトレイトゴー。高速馬場の新潟じゃ厳しいかなと思いつつ、2頭のワイド。
ハイラント6着、ペネト8着。ああ、新潟と中京はつまらん。
札幌9Rにマイネル2騎。フォルツァはともかく、モメンタムを芝の1500メートルに使うって、陣営なに考えてんの? とりあえず2頭のワイドは買ったが、フォルツァ4着もモメンタム9着。こんなに距離短縮して息が持つはずないって。
中京9R御在所特別、ジョセフィーナ、馬券内はあるかなと思ったが、少頭数で妙味のある相手も見つけられなかったのでケン。ジョセフィーナ5着。時計が速すぎるのよなあ。
札幌10R富良野特別にゴルシっ仔が4頭。マイネルヒッツェは足りないけど、マイネルオーシャン、アドミラルシップ、コスモブッドレアは勝ち負けっしょ。ここは強気に3頭の3連単ボックス。なにせ、1~3番人気だからね。
オーシャンがハナを切り、前走は痛恨の出遅れだったブッドレアが番手。アドミラルも好位。
行け~、そのまま2頭で後ろをぶっちぎれ~!! アドミラル、前の馬たちぶち抜け~!!!
ブッドレア1着、オーシャン2着!! が、アドミラルそれ4。やめて~(号泣)。
ブッドレアの頭だと、馬単10倍行かないので3連単にしたのだが、馬単1点に厚くぶっこめばよかった……。
札幌11R札幌日刊スポーツ杯にも一族4頭。どの馬も足りなそうだよなあと思いながら出走表を眺めたら、フェミナフォルテという馬に目がとまった。この馬、走るっしょ。6番人気は美味しすぎない? というわけで、一族から2頭をピック。レジェンドの乗るヴェルミセルとそろそろ走っておくれよのナムアミダブツに流したワイド2点。
読みどおりフェミナ1着も、ヴェルもナムアミも馬券内には届かず。
新潟メイン日本海S。ここはヘデントールとマコトヴェリーキーの一騎打ち。マイネルカンパーナは足りないと思いつつ、一族3頭の3連複。その他で目につくのはやはり、メジロマックイーンの孫のナイトインロンドン。マックの血が入ってるってことは準一族みたいなもんだものね。というわけで、ロンドンも入れた3連複を追加。少頭数なので配当が心配だったが、購入時点で14倍ついてる。それなら御の字。
ヘデントールはここを勝って菊花賞への足がかりにしてほしいし、マコトだって勝ってオープン馬になってもらいたい。できれば1着同着で。虫のいいことを願いながらレースに臨む。
ヘデントールは例によってスタートが悪い。マコトは馬群の後方。以前はもっと前めで競馬していたのだが。
ヘデンがぐんぐん位置を押し上げていく。かかってるのかと思ったが、馬なりだ。ここでは能力が抜けている。1コーナーですでに3、4番手。こりゃヘデンが圧勝するな。あとはマコトが来てくれれば。
マコトが直線でもたついている間に、大外に出したロンドンが一気の末脚。ヘデンが3馬身差以上をつけて快勝、ロンドンが2着。マコトなんとか3着。
ヘデン勝ったし馬券もゲット~と喜んだのも束の間、配当は9倍。なによ、15分のあいだにどんだけ下がったのよ。
土曜はここまで。やっすい3連複が当たっただけのマイナス収支。なに、明日、取り返してやるさ。
日曜は新潟2Rから。マイネルゼウスが4番人気。1番人気のスワローシチーは危険な人気馬なんじゃないの? ならば、2番人気、3番人気の馬との3連複。
ゼウス番手から直線抜けだし。そのまま1着かと思ったら、化け物級の脚を使う馬が外から飛んでくる。ルメさんの馬。強すぎ! ゼウス2着も3番人気の馬がそれ4。シチーが飛ぶとこまでは計算どおりだったんだけどなあ。
中京3Rは少頭数すぎるのでケン。バッケンレコード2着、ウインポセイドン3着だが、3連複で8倍は、我ら夫婦の馬券ルールでは手が出ないレース。2頭とも、よく走った。ここも勝ったリューセーの馬が強すぎる。
札幌3Rにバスターウルフとゴルトシュトラール。バスターウルフは4番人気だが、これ、あからさまに危険な人気馬だよね。ゴルトも足りないのでケン。バスターウルフ、先行できず8着に沈む。
新馬戦は例によってケン。札幌5Rのグランカッサ、直線で2着馬に寄られてブレーキがかかっていた。あれがなけりゃ、2着はあったかなあ。
札幌6R、ダートの長距離戦にクロスザルビコンとアルデドゥオーモ。ワイドを買ってみるが、ルビコンが案外すぎた。
新潟7R、マイネルコンポートが2番人気に推されていたが、速い馬場は得意じゃないはずなのでケン。やっぱりダメだった。
札幌7R、ここはウインルピナス確勝だろうよ。1番人気トレミニョンへの馬単1点勝負! ルピナス、ハナを切ってそのまま逃げ切り! トレミニョンも来てるぞと思ったら、伏兵のキヨラに割られた。くそう。
でも、弟のトレメンデスに続いて姉も勝利。嬉しい、嬉しい。
中京8Rにはトウカイエルデとイエデゴロゴロ。エルデは3番人気に押されていたが、どちらも休み明けなので見送り。やっぱり走らなかった。
新潟8R、母父フェスタのメモリーグラスが舐められた人気。みんな知らないんだな。新潟のダート1200、得意なんだよ、この子。相手は前めから差し脚伸ばしそうなアイズに決めて、ワイドで勝負。
アイズ、好位から直線抜け出して1着、それを追ったグラスが伸びて2着!! 読みどおりで気持ちいい~。馬連も買っておくべきだったが、ワイド13倍でOK。やっとまともな馬券が当たった。
札幌8Rクローバー賞。ウインブライト産駒のバセリーナが5番人気か、舐められてるけど、堅そうだしケン。
バセリーナ3着も3連複9倍なのでケンで正解。
中京9R濃尾特別にアコークロー。パドック見ると調子よさそうだし、ここは走るはず。相手を1番人気サトノアイオライトと3番人気オーケーカルメンで迷ったが、配当がつくオーケーカルメンに決めてワイド。
アイオライト1着、アコー2着、カルメン3着。しまった。3連複かアイオライトとの馬連ワイドだったか。でも、カルメンとのワイドでも配当18倍。OK、OK、馬券の方もエンジンがかかってきたぞ。
新潟9R閃光特別。千直にオルフェっ仔が2頭。トレブランシュは8枠で先行力もある。ルクスパラディは人気がないが、千直未勝利勝ち上がってるし、前の千直は1枠1番だったのですよ。なんかどんぐりの背比べみたいな面子だし、一発あってもおかしくないっしょ。
そんなわけで、ブランシュとパラディのワイド一本!
トレブランシュ、ハナはクールベイビーに譲ったが、その直後につける。脚が溜まっていいんでないかい。パラディもスタート決めて好位。最後の最後、パラディがベイビーをかわしにかかり、ブランシュも猛追。
結果、ブランシュ1着、パラディ2着!
千直でオルフェ産駒のワンツーなんて初めてじゃなかろうか? これからは千直得意な種牡馬になりませんかね、亀谷さん? ならんか(笑)。
オルフェっ仔ワイドは42倍のスマッシュヒット。これで今週の勝ち確だ。ありがとう、トレブランシュ、ルクスパラディ。
馬券3連続的中でお腹いっぱい。
それでも新潟10R阿賀野川特別。ウインマイルートとマイネルトルファンのワイドを。しかし、ゲート入り前、トルファンが除外に。屈腱炎による長い休養があっただけに、無事であってほしい。馬券は返還。
中京新潟のメインはパスして札幌記念。
絶好の1番枠を引いたドゥラエレーデで勝負。プログノーシスとの馬連ワイド。ワイド10倍行かないけど、重賞なので特例。
アウスヴァールの番手確保して、直線、粘りまくれ、ドゥラエレーデ。叩き2走目で肌つやも前走よりいい。上積み大だよ。芝もダートも関係ないよ。
ところが、スタート煽るように出て、まさかの最後方。プログノーシスも隣にいて、馬券の対象馬が仲良くこんなところ走るなんて予想してないし、予想できないよう(号泣)。
ドゥラエレーデ見せ場もなく大敗。プログノーシスも飛んでしまった。
ドゥラエレーデは負けることもあろうと思っていたけれど、プログノーシスが飛ぶとはねえ。競馬って怖いわ。でも、だからこそ面白いんだよね。
一族の激走で馬券の方も盛り返し。
道中じっとして脚を溜め、直線で末脚爆発させたねと妻と祝杯をあげたのであった。