プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回は「馬券特化型の2歳戦診断」をお届けします。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬: 今週は9月30日~10月22日の2歳戦診断です。今回も重賞や特別戦を中心に回顧したいと思います。
──この期間にはサウジアラビアRCやアイビーSなど、色々な意味で注目レースがあったので是非詳しく聞かせてください。
双馬: 「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
<レベル判定の基準>
S: 重賞級の馬が複数存在
A: 重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+: オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B: 1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+: Bに近いC
C: 平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-: Dに近いC
D: 低レベル、勝ち上がる馬少ない
E: 低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
<レベル判定についての注意点>
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCのほうがレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCのほうが概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は『スマート出馬表』でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり・芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
10/7 東京11R サウジアラビアRC 芝1600良
勝ち馬:ゴンバデカーブース
双馬: 新馬戦で高いパフォーマンスを見せたボンドガールとシュトラウスが出てきたので、どんなレースになるのか注目していましたが、2頭とも引っかかって力を出し切れませんでした。その結果、レースとしてのレベルは低くなってしまいました。
1分33秒4という走破タイムも、次の日の3歳以上1勝クラスで1分33秒2ですから、時計的な価値はそれほどありません。また、ローテもペースも恵まれていないレーヴジーニアルが4着に来ているというのも理由のひとつです。
勝ったゴンバデカーブースはブリックスアンドモルタル産駒で、母父ディープインパクトなのでこの上がり(33秒5)を出せましたけど、それでもキレ味勝負が得意なタイプだとは思いません。もしこの結果が評価されて朝日杯FSで人気するようなら疑いたいですね。新馬戦で逃げ切って、2戦目で最後方から差せる操縦性は素直にすごいとは思いますけど。
シュトラウスは持っている素質で言えば一番だったと思いますが、前向きすぎる気性が問題ですよね。半姉のフォラブリューテも新馬戦で強い勝ち方をして、その後はかかるようになって短縮でしか走れなくなりました。エピファネイア産駒でもノーザンファーム育成のモーリス産駒でもそうなるんですから、これはどうしようもないのかもしれませんね。ただ、その気性があるぶん、ペースが速くなりやすいハイレベルレースのほうが走りやすい可能性はあります。そう考えると、賞金が加算できなかったのは痛いですね。
ボンドガールも今までデビューした馬の中ではトップレベルの能力がありますから、ハイペースで速い時計決着になれば巻き返せると思います。阪神JFはもっとペースが速くなると思うので、こちらは賞金加算できたのが大きいですね。
▼ピックアップレース(2)
10/14 京都8R 紫菊賞 芝1800良
勝ち馬:ジュンゴールド