プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは馬券特化型の2歳戦診断(6月21日~6月29日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は2歳戦診断です。新種牡馬の印象を交えながら解説をお願いします。
双馬:インディチャンプ、コントレイル、ベンバトル、ダノンプレミアムについての印象についてもお話しします。「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
6/21 阪神5R 2歳新馬 芝1400 良
勝ち馬:タイセイボーグ
評価:C
双馬:このレースは新種牡馬インディチャンプの初勝利となりました。インディチャンプは血統の字面通り、仕上がり早で、2歳戦向きだと思います。ステイゴールド産駒よりやや硬めで、ダートでも走れそうな雰囲気があるので、幅広いカテゴリーで活躍する種牡馬になりそうです。見栄えのする馬も多いのでスケールのある馬も出てくるんじゃないでしょうか。
▼ピックアップレース(2)
6/21 東京5R 2歳新馬 芝1800 良
勝ち馬:モノポリオ
評価:C+
双馬:この期間中の最注目レースのひとつで、勝ったモノポリオはミスエルテ、ミアネーロ、ショウナンザナドゥの半弟です。このレースはペースが速く、ラップを見ても中盤の1F以外は全部締まった流れになっているので、新馬戦としてはかなり厳しいレースでした。
前回の2歳戦診断でも言いましたが、今年の東京の新馬戦は1000m通過が速くて、60秒台前後になっています。何年か前に関西のジョッキーたちが新馬戦のペースを上げていこうと話したそうですけど、関東のジョッキーたちもそうしたのかな?と思うレベルです。新馬戦のペースが緩すぎると2戦目に良い影響がないですからね。
レースレベルとしては平均より少し高いくらいで、世間の評価よりは下げたつもりです。なぜそうしたかと言うと、メンバーレベルがものすごく高いという印象ではありませんでしたし、モノポリオはアメリカ色の強い血統だったので、持続力勝負が得意な可能性があるからです。
──適性的に向いたから楽勝したかもしれないってことですね。
双馬:はい。なので、キレ味勝負でどうなるか見るまでは半信半疑です。逆にキレ味勝負で強かったらリアルスティールのスケールを超えてきているので、クラシック候補になります。
▼ピックアップレース(3)