プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは馬券特化型の2歳戦診断(7月5日~7月13日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は2歳戦診断です。新種牡馬の印象を交えながら解説をお願いしたいと思います。
双馬:この期間は有力な馬も出てきて、活発な新馬戦でした。次戦が楽しみな馬がたくさんいます。
──僕も気になっている馬がいるので、双馬さんがどのような評価をするのか気になっています。
双馬:「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
7/5 福島5R 2歳新馬 芝1800 稍重
勝ち馬:アランカール
評価:C
双馬:勝ったアランカールはエピファネイア×ディープインパクトという血統で、斉藤崇史厩舎ですから、なぜ福島デビューなんだろう?と思いました。しかも、ちゃんと仕上がっていたので、それは圧勝しますよね。
ただ、このレースを見たからものすごく強いか?と言われると、正直分かりません。エピファネイア産駒なので、2戦目の落とし幅がどれくらいになるかでしょうね。
──マイル重賞で人気になるようなら怪しいってことですよね?
双馬:そうなったら人気よりは走らない可能性が高いと思います。逆に、そこで走ったら本物ですから。強さの証明をするまでは軽視した方が馬券的には良いと思います。
今年はノーザンファームが有力馬を福島デビューさせていますけど、本当にクラシックを獲れると思っていたら、430キロの馬をここで使わないんじゃないかとも思うんですよね……。
▼ピックアップレース(2)
7/5 函館5R 2歳新馬 ダ1000 重
勝ち馬:エムフォー
評価:C
双馬:先週のコラムで「フォーウィールドライブは新馬戦で低調」と言ったんですけど、エムフォーはすごく強かったですね。このレコードタイムは価値が大きいです。
今年の函館芝のレコードはアテになりませんけど、ダートは毎年同じ条件でやっていますからね。重馬場とはいえ、2歳で57秒9ってなかなか見られません。なので、エムフォーは素直に評価していいでしょう。
▼ピックアップレース(3)
7/6 福島5R 2歳新馬 芝2000 良
勝ち馬:タイダルロック
評価:C
双馬:タイダルロックはアースライズの仔なので、クロワデュノールの甥にあたる良血馬です。ラスト2Fが11秒1-11秒7で楽勝しましたから能力が高いことは分かるんですが、福島デビューなので牡馬のトップレベルかどうかは半信半疑です。
ノーザンファーム生産のモーリス産駒なので、2戦目で落とす可能性は高いと思います。1000m通過が68秒5でしたから、次のレースは確実に追走が速くなります。それをこなせたら本物で、こなせなかったらそこまでではないという判断になるでしょう。
▼ピックアップレース(4)