プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは馬券特化型の2歳戦診断(7月19日~7月27日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は2歳戦診断です。いつも通り、新種牡馬の印象を交えながら解説をお願いします。
双馬:ちょうど開催替わりのタイミングでしたが、競馬場ごとに時計の出方がバラバラなので、タイムに騙されないことが大事ですね。
──2歳重賞の予想にも繋がっていくと思うので、そこは押さえておきたいですね。
双馬:「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
7/20 福島5R 2歳新馬 芝2000 良
勝ち馬:オブラプリーマ
評価:C-
双馬:このレースはレベルが高かったわけではありませんが、ヴァンゴッホ産駒の初勝利だったので取り上げたいと思います。
ヴァンゴッホは父がアメリカンファラオ、母父がサドラーズウェルズ、母が英オークス馬のイマジン、伯父がジェネラスという超良血で、アメリカンファラオ産駒ながら芝用に作られたヨーロッパの馬というイメージです。日本で走った近親もタワーオブロンドンやディーマジェスティなど、挙げたらキリがないほどいるので、日本適性が高い可能性があります。
血統表の字面通り、少しタフな馬場や、サンデー系が苦にするような馬場で活躍する穴種牡馬になりそうです。同じアメリカンファラオの後継種牡馬でも、フォーウィールドライブは短距離ですけど、ヴァンゴッホは芝の中距離で面白い存在になりそうですね。
▼ピックアップレース(2)
7/20 小倉5R 2歳新馬 芝1800 良
勝ち馬:ベレシート
評価:C+
双馬:好メンバーでレースレベルは平均より少し高いぐらいでした。タイムは遅いんですけど、この開催の小倉芝は2歳馬にとっては時計のかかる馬場でしたし、このレースに関しては1000m通過が65秒くらいかかっているので、どんなに頑張ってもタイムは出ません。なので、タイムに騙されず評価して良いと思います。
勝ったベレシートはクロノジェネシスの仔で、ラスト1Fが11秒5という前が止まらない流れを後ろから差しているので、今回の内容は100点と言っていいでしょう。
ただ、エピファネイア産駒なので、2戦目にパフォーマンスを落とす可能性があります。ペースが遅かった分、次走は絶対に追走が速くなりますから、2戦目は疑ってかかって、3戦目以降はその結果を見て判断ということになるでしょう。
▼ピックアップレース(3)