プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「馬券特化型の2歳戦診断(9月13日~9月21日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は2歳戦診断です。いつものようにオープン、新馬戦、未勝利戦の順に注目レースを挙げてください。
双馬:分かりました。「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
9/20 阪神8R 野路菊S 芝1600 良
勝ち馬:アランカール
双馬:レースレベルは高くないんですけど、勝ったアランカールは強かったですね。アランカールは新馬戦のときに「なぜ福島デビューなんだろう?」、「エピファネイア産駒なので2戦目の落とし幅がどれくらいになるか」と言っていた馬です。
今回は2戦目かつ短縮ローテで、新馬戦より追走が3~4秒速くなっているのに楽勝しました。これができるということはクラシック路線に乗ってくる素材だと思います。シンハリーズの一族は本当よく走りますね。
ただ、まだ分からない要素が多いのも事実なので、阪神JFで人気になったら半信半疑です。延長ローテが良い馬だと思うので、もしハイペースのマイルにも対応できるとなったら桜花賞、オークスでも注目の1頭になります。
▼ピックアップレース(2)
9/13 中山5R 2歳新馬 芝1600 稍重
勝ち馬:スタートレイン
評価:C+
双馬:このレースはメンバーレベルが高かったですね。スローペースになった分、タイムは遅いんですけど、好タイムの新馬戦よりもレベルが高い可能性があります。
勝ったスタートレインは父キタサンブラック、母父ダンチヒ系の黄金配合で、まだまだ馬体が完成してないのに勝てるんですから将来性が高いですね。ただ、すぐに重賞で活躍というタイプではありません。
このレースで一番の注目はサンセリテです。中山芝1600mの大外枠から出負けして、スローペースで展開も向かなかったのにクビ差の2着ですから、実質的には一番強いですよね。
母系がアメリカンのコントレイル産駒なんですけど、牝馬なのでそれほど硬さがありません。マキャベリアン、ブラッシンググルームの血が入っていてコテコテのアメリカンではないというのも良いんでしょうね。完成度が高いので、スタートレインよりもサンセリテのほうがクラシック路線に乗ってくる可能性が高いと思います。
3着マカレイ、4着モルニケも強いので、次走以降で狙えそうです。
▼ピックアップレース(3)