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王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」 08/31 (木)

【第33回】走力を見極めるための重要項目その3「前走のレベル判断」/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。

今回のテーマは走力を見極めるための重要項目その3「前走のレベル判断」です。ぜひお楽しみください!



1頭1頭の走力を見極めるための重要項目、その1は「クラス成績」、その2は「前走の馬場・枠順補正」ときて、その3は「前走のレベル判断」です。

前走の結果は、今回の人気に大いに影響します。しかし、着順だけを見て、好走と凡走を判断するのは良くない。

前走は強いメンバーが集まった「レベルの高いレース」なら、5着でも価値がある。逆に前走は強いメンバーがいなかった「レベルの低いレース」なら、2着でも価値は高くない。これがレベル比較です。前走に限らず、前々走も、3走前も、レベルの把握は大事です。

レースレベルの把握方法はいろいろありますが、3つ挙げます。

(1)事前の予想段階において、自分の判断で、A・B・Cのレベル分けをしておく。

各レースの検討をする際に、「このレースは2勝クラスにしてはいい馬が揃ったな」とか、「重賞とは名ばかりで、ほとんど1勝馬じゃないか」と、自然にレベル判断をしているはずです。

このようなレース前のレベル判断は、大事にしたほうがいい。レースが終わってからだと、タイムに惑わされたり、見た目の派手さに目が曇ったりしやすいけれど、レース前の印象は的確なものです。

予想の段階で、そのレースは該当クラスにおいてAレベルなのか、Cレベルなのか、普通(Bレベル)なのかをメモしておくと、のちのち役に立ちます。


(2)レース後にタイムやラップでレベル判断をする。

これはオーソドックスな方法です。私はあまりタイムを重視しない派なので具体的なやり方には言及しませんが、短距離戦ではタイムが重要な指標になるだろうし、走破タイムやラップからレースのレベル判断をします。


(3)そのレースで走っていた馬の次走成績を確認する。

これは最近、実践する人が増えたテクニックです。ある程度、日が経過しないとできない方法ですが、そのレースで2着だった馬は次走どうだったのか、3着だった馬は次走どうだったのか、これらを調べることでレースレベルの判断をします。

1頭1頭の次走成績を調べるのは大変と思われるかも知れませんが、今は競馬ソフトのボタンひとつで調べる機能があります。私が使用しているTARGETは、これができます。

先週行われた新潟2歳Sを例題にしてみましょう。各馬が勝ち上がったレースにおいて、2着以下の馬の次走成績を調べます。

1番人気アスコリピチェーノが勝ったのは6月24日の東京の新馬戦。その出走馬の次走成績を確認すると、3着馬と5着馬と6着馬が次走に2着しています。これはまあまあレベルが高いメンバーだったと判断できる内容です。

しかし、もっと上のレースがありました。新潟2歳Sで人気薄だったショウナンマヌエラが勝った7月9日の中京の新馬戦です。上位馬の次走を表にまとめました。


ショウナンマヌエラが勝った7月9日の新馬戦、上位馬の次走成績
▲ショウナンマヌエラが勝った7月9日の新馬戦、上位馬の次走成績


2着馬から5着馬まで全部、次走でも好走しているのがわかります。3着だったシカゴスティングは、ここから2連勝してオープンのフェニックス賞を制しました。レベルの高いレースだったのです。

正直に告白するとこれに気付いたのは新潟2歳Sのレース後で、私は新潟2歳Sのショウナンマヌエラを無印にしてしまうという大失敗をやらかしました。表面的な勝ちタイムだけ見て「1分37秒9は、やけに遅いな。スローに恵まれた逃げ切りか」と深く検討しなかったためです。

ちゃんと新馬戦の相手の次走成績を確認していれば「おおっ!」と、もっとショウナンマヌエラに目を向けることができただろうし、そうすれば父のジャスタウェイは新潟2歳Sで2着だったと、思い出すこともできたでしょう。あとから気付いても、もう遅い。

もうひとつ例を挙げます。こちらも先週行われた札幌のキーンランドCです。8番人気で2着に逃げ残り、中穴になったのはシナモンスティックでした。この馬の前々走、4着だった福島テレビオープンが「オープン特別の割にハイレベルのレース」だったのです。

福島テレビオープンの上位馬の次走を表にまとめました。


7月16日・福島テレビオープン上位馬の次走成績
▲7月16日・福島テレビオープン上位馬の次走成績


ほとんどの馬が次走、重賞で上位に来ているのがわかります。一見、福島の地味なオープン特別に見えて、中身はG3重賞のレベルにあったと推定できます。シナモンスティックも次走ですぐにオープンのUHB賞を勝ち、キーンランドCへ向かいました。

これが、次走成績によるレースレベル判断の効果です。着順やタイムだけではわかりにくいことに気付かせてくれる。このようにして前走や前々走のレベルを把握しておくと、各馬の走力を的確に見極められるようになり、必ず馬券の役に立ちます。

ちなみに私のキーンランドCの馬券は、2着のシナモンスティックが抜けてハズレました。

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田端到 近影

田端到

1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。

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