亀谷敬正 オフィシャル競馬サロン
  • TOP
  • 会員ログイン
  • マイページ
  • 入会案内
  • Q&A
  • お問い合せ
王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」 09/14 (木)

【第35回】展開を読む(2) 逃げ馬を調べる/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。

今回のテーマは「逃げ馬の見つけ方」です。ぜひお楽しみください!



「展開を読む」の2つめは、逃げ馬のチェックです。そのレースで逃げそうな馬はどれか。逃げ先行馬は多いか、少ないか。ペースは速くなりそうか、遅くなりそうか。これを調べる具体的な方法をひとつ紹介します。競馬新聞やスポーツ新聞を使っている人向きの方法です。

これら新聞の出馬表には各馬の馬柱が組まれ、馬柱には各レースの通過順が記されています。逃げた馬なら通過順は「1-1-1」、5番手に付けて途中で3番手に上がった馬なら「5-3-3」と記されます。

出馬表をながめて、通過順に「1」があったら、それをマーカーペンでマークして色を付けます。なんだその受験生の英単語学習みたいな作業は、と思われるかも知れませんが、バカにしてはいけません。

通過順1、つまり先頭に立ったという馬柱に全部、色を付けると、いろんなことがビジュアルでわかるようになります。

そのレースに逃げ馬が多いのか、少ないのか。逃げ馬は内枠にいるのか、外枠にいるのか。その逃げ馬は毎回逃げているのか、それとも逃げるときと逃げないときがあるのか。

さらにやってみるとわかるのは、逃げ馬の記憶が自分の中に強く残り、いろんな発見につながる効果があります。

モズスーパーフレアを例題にします。2020年のG1高松宮記念を制した快速の逃げ馬ながら、成績はムラがありました。G3重賞で人気を背負い、負けてしまうことも多かった馬です。

これは実際にマーカーペンで色を付けた出馬表を見ないとピンとこない話なのですが、そこは脳内で想像してください。モズスーパーフレアには以下のような特徴がありました。

単騎ですんなり逃げると強い。しかし、他にも逃げ馬がいるとモロい。例えば同型のビアンフェがいるレースは好走できなかった。

内枠に入ると、先手を取るためにハイペースで行き過ぎてしまい、良くなかった。外枠のほうがマイペースで先手を取れるため、成績は良かった。


モズスーパーフレアの枠番成績
▲モズスーパーフレアの枠番成績


1着だった20年の高松宮記念(クリノガウディーの降着による繰り上がり)。前走で逃げた馬は、モズスーパーフレアのみ。短距離G1にしては逃げ馬の少ないメンバーだった。

モズスーパーフレアの存在は他の差し馬にも影響を与えました。例えばアウィルアウェイという20年のスプリンターズSで大穴の3着に来た馬は、モズスーパーフレアが出ていたレースだけ、差しが届くという面白い特徴がありました。ハイペースになるからです。

毎回ていねいに逃げ馬をチェックしていると、差し馬の好走のツボにも気付くことがある。

ちなみにこの「通過順1の色塗り作戦」は、私の発案ではありません。競馬ライターとして活躍した、かなざわいっせいが提案した馬券術です。

かなざわさんが連載していた、誰かの捨てた競馬新聞の書き込みを調べるというコーナーが元だったと記憶しています。通過順1の馬だけでなく、通過順2の馬や、3の馬も、別の色のマーカーペンでマークするという気合いの入った展開読みの方法でした。今回は、かなざわいっせいリスペクトでお送りしています。

こうして逃げ馬が多いか、少ないか、逃げ馬は内枠にいるのか、外枠にいるのかなどをチェックすることで、レース展開が映像として見えてくるようになります。ペースが速くなるか、遅くなるかも読めるようになります。

付け加える提案があるとしたら、通過順が2桁の馬もマークすることでしょうか。通過順2桁とは、早い話、後方に位置した馬です。

後方に控える馬を出馬表で色分けすると、また別の景色が見えてきて、展開を読みやすくなる。試してみてください。

  • 09/21 (木) 【第36回】レースの傾向を知る・データの掘り下げ方/王様・田端到の「名馬…
  • 09/14 (木) 【第35回】展開を読む(2) 逃げ馬を調べる/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券…
  • 09/07 (木) 【第34回】展開を読む(1) 当日の馬場傾向を知る/王様・田端到の「名馬に学…
  • 08/31 (木) 【第33回】走力を見極めるための重要項目その3「前走のレベル判断」/王様…
  • 08/24 (木) 【第32回】走力を見極めるための重要項目その2「前走の馬場・枠順補正」/…

コラム一覧

田端到 近影

田端到

1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。

新着記事/コンテンツ
記事一覧
  • 09/21 (木) 9月22日(金)南関競馬(浦和・大井)出走全頭の3着内好走確率(亀AI複勝率) ~メインレースは無料公…
  • 09/21 (木) 【第36回】レースの傾向を知る・データの掘り下げ方/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」
  • 09/21 (木) 3歳限定重賞こそ世代レベルの精査が重要! 今年の神戸新聞杯で重視すべき馬とは?/キムラヨウヘ…
  • 09/21 (木) 【第102回】密かに復活!? 北村宏司騎手を解析する~前編~&オールカマー展望/TAROのジョッキー…
  • 09/21 (木) 1973年の競馬/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ
  • 09/21 (木) 3日間競馬も消し血統と亀AIで大幅プラス収支!/亀谷競馬サロン・コンテンツ活用術
  • 09/21 (木) 1998年の最優秀3歳牝馬・スティンガーが亡くなる/亀谷サロン編集部が選ぶ今日(9/21)の注目トピ…
  • 09/20 (水) 9月21日(木)南関競馬(浦和・大井)出走全頭の3着内好走確率(亀AI複勝率) ~メインレースは無料公…
  • 09/20 (水) 先週の亀レビュー(9/16~9/18)/亀谷敬正のレース回顧
  • 09/20 (水) 【第67回】エイシンヒカリ#1 非主流タイプのディープ産駒! ダートの狙い方にはコツが!/今井雅…

会員ログイン

データバイヤーIDをお持ちの方

亀谷競馬サロンの会員でない方は、
入会案内をご参照ください。

copyright © K-MATE All rights reserved. 特定商取引法に基づく表記

入会のご案内
page top