競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「高杉吏麒騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
先週注目馬として取り上げたコスモフリーゲンが七夕賞を勝ちました。ただ、本命変えてしまったんですよね。無念。
ちなみに柴田大騎手は芝の中距離なら妙味も考えれば普通に買えるジョッキーです。超リズム重視型。追えないですがフワッとスタミナを温存する騎乗なら問題なしです。あとは馬群を捌けないので、そこら辺の考慮をすれば狙いどころも定まるジョッキーです。
~やっぱり上手い! いま改めて高杉吏麒騎手を取り上げる理由~
さて、今回は誰にしようかなと思ったのですが、再び高杉騎手を取り上げます。
というのも、最近見ていて改めて上手いなぁと思うんですよ。天下をとれる男ですよ。
それともう1つ理由があって、どうしても2年目で同じ関西所属の吉村騎手と比較されがちというか、勝手に比較してるんですが、少し高杉騎手の方が地味なんですよね。吉村騎手はもう重賞も2つ勝って、安田記念でも2着。一般のファンにも徐々に浸透しつつあります。しゃべりも上手いし、目立つ。
一方、高杉騎手はまだ重賞での好走がない。雰囲気もどちらかといえばまだ初々しい感じです。その分、勝ち星ではむしろ多くても存在感としては少し陰に隠れるわけですよ。
でもジョッキーとしての実力は負けず劣らず。ならば妙味のある方を狙うよね、って話です。
~芝もダートも行ける素晴らしさ~
高杉騎手のどこが素晴らしいかって話なんですが、芝でもダートでもどちらも行ける点です。逃げも差しも行ける。リズム系の騎乗、そしてパワー寄りの騎乗、どちらもこなせる。これって結構珍しいですし、まして2年目の騎手としては特筆すべき能力です。
人間もそうじゃないですか。すごい能力はあるけど、コミュ力が低いとか。社内政治は上手いけど、実は大したことはないとか。天才だけど変わり者とか。あるいはどっちも平均的とか。やはり誰しも多少欠落していて、ともに兼ね備えてるってのは稀有です。もちろん僕も欠落しまくりです。
もうひとつ、2年目って正直なところ勝ちやすい条件が揃います。慣れてくる、乗り馬も集まる、1年目と違って年間フルで乗れる。だから、1年目→2年目でジャンプアップするケースは珍しくない。ただ、その後伸びるかどうかはやはり減量に頼りすぎないかどうかに懸かっています。
過去には…
川須騎手 18勝→91勝
丸山騎手 8勝→92勝
なんてこともありました。これは超積極策がもたらした2年目バブルです。
~今から注目しておけば必ずいいことがある~