競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「夏を超えて進化した佐々木騎手の狙い時」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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先週の3日間開催の中日(なかび)は、久々の亀谷競馬サロン@水道橋でした。
ローズSを当てるべく臨んだのですが、期待した◎パラディレーヌは3番人気8着。スタートでの遅れも痛かったですが、その後焦って位置を取りにいきすぎましたかね。もっとも、そこは丹内騎手の個性でもあるので仕方ないところ。
悩んだ○テレサの方が正解でしたか。こちらは松山騎手らしく、しぶとさを引き出しました。松山騎手とアドマイヤマーズってたぶん手が合うんですよ。人と馬で生き物は異なりますが、タイプ的には似てる面があります。このニュアンス伝わりますか?
亀谷さんの◎セナスタイルは10番人気3着。岩田康騎手はインで待機する戦略で、直線馬群を捌いてきました。多少脚を余した感はありましたが、あそこを割ってねじ込んでくるのは岩田流という感じですね。
人気に応えて勝ったカムニャックは、今回川田騎手が騎乗。4コーナーでの不利は本人が再三強調するほど大きな影響があったようには見えませんでしたが、地力で抜け出してきました。
前置きが長くなりましたが、ここで何が言いたいかというと、改めて感じた、
「騎手とコース相性の重要性」
です。
~東京より中山で買いたい佐々木騎手~
というわけで、今回は佐々木騎手です。過去に何度か取り上げていますが、この夏を超えてさらに進化を感じられるのと、割と個性が強く買いやすいジョッキーだと感じているので改めて取り上げます。
先週(厳密には今週)のセントライト記念ではレッドバンデに騎乗し3着。実はこれが中山重賞17度目の挑戦で、初の馬券圏内でした。もっともこれだけ聞くと中山では買えないように思われるかもしれませんが、むしろ逆。今後は中山重賞での活躍が増えていくはずです。
まずは佐々木騎手の競馬場別重賞勝利を見てみましょう。
札幌 2勝
函館 2勝
東京 1勝
中京 1勝
この夏はヴェローチェエラでの函館記念制覇を皮切りに、ぺリエールでエルムSを勝ち、さらにインビンシブルパパで中京のCBC賞も制しました。現時点で69勝を挙げており、その中身も年々濃くなっています。
その佐々木騎手ですが、実はコースによる成績の差も顕著になりつつあります。今年の競馬場別の勝ち星は以下の通り。
札幌 14勝
函館 13勝
中山 10勝
中京 7勝
新潟 5勝
福島 4勝
東京 3勝
ローカルでの勝利数が増えるのは馬質が上がる面もあるので当然として、関東圏主場では、圧倒的に東京<中山という傾向です。これは勝率で見ても顕著。
中山 勝率7.9%
東京 勝率4.9%
新刊『道中の動きが見えてくるジョッキー事典』でも、佐々木騎手については以下のように書きました。
