競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「凱旋門賞の振り返り、中山→東京替わりで穴をあける馬、アイルランドTの展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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年に一度の海外競馬の大イベント・凱旋門賞は内枠から上手く立ち回ったダリズが勝利。日本馬3頭はビザンチンドリームの5着が最高でした。
毎年凱旋門賞を終えると、
「日本馬がどうやったら勝てるか」
が議論になるのですが、競馬って多くのファンが想像する以上に運要素が強いゲームなので、勝てるときは馬場や枠に恵まれてサッと勝てるでしょうし、そうでもなければ強い馬でもアッサリ負けてしまうということなのかなと思います。
大惨敗だったクロワデュノールだって、もし一昨年の馬場で内枠を引いていたら好勝負になったかもしれません。本当にそこら辺は紙一重です。
パリロンシャンと東京では同じ2400mでもまるで競技が異なるのは当然ですし、日本馬がフランスで苦戦しているように、欧州目線でいえば、ジャパンカップでは約20年近くもの間、欧州馬はまるで勝負にならず3着にすら入れていないのですから、ことさら悲観的になることもないでしょう。
先日、三浦騎手が幸運にも恵まれて初めてG1を勝ったように、凱旋門賞も思わぬところで勝つんじゃないのかなと思います。その馬が必ずしも内枠の小柄な馬とも限りません。もちろんその時は馬券を当てて心から喜びたいです。
そして毎年言っていることですが、遠征馬が無事に戻ってきてまた次のレースに元気に挑めるのが私の唯一の願いです。
~東京芝の戦略~
さて、先週中山→東京替わりの戦略について触れましたが、特にコース替わりが効くのが東京芝1400mです。
先週の東京芝1400mでは5鞍行われ、16番人気馬が2勝を挙げるなど波乱続き。いうまでもなく中山には芝1400mの設定がないため、前走中山組は例外なく距離が変化し、その適性の違いが波乱を起こします。
日曜の芝1400mの未勝利戦を16番人気で制したフェーダーローターは、前走中山芝1600mで後方からの競馬を強いられていた馬。前開催の中山芝は先週も触れた通り圧倒的に逃げ先行組が有利でしたから、後方組はコース替わりでの一変に期待できます。
土曜の白秋Sで8番人気2着だったユハンヌスは、前走中山芝1200mの7枠10番という外枠に入り、後方から差して来て7着。こちらも直線が長いコースに替わっての一変でした。
また、日曜の1勝クラスで1着だったレイククレセント、7番人気3着だったアサクサヴィーナスは、ともに前走中山マイルの2桁馬番だった馬。前走中山外枠→東京替わりで巻き返し(前進)というパターンは、東京芝1400mのみならず、芝コース全般でまだまだ見られそうです。
もっとも先週波乱が多かったのはルメール騎手不在の影響もありそうですから、その点は今週以降考慮したいところ。ルメール騎手が騎乗している東京芝においては、
「ルメール騎手の人気馬+前走中山芝の外枠or差して負けている馬」
という組み合わせが面白そうです。
~東京ダートの戦略~