競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「どこよりも早いプーシャン騎手研究&天皇賞(秋)展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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菊花賞は終わってみればルメールの3連覇。あれこれ考えるよりも、「長丁場はルメール」というシンプルな結論が一番正しかったという結果でした。2着エリキングは川田騎手への不安もありましたが、少し渋ったのも良かったかもしれません。上手く乗っていました。
さて、今週末からいよいよ海外の短期免許の騎手たちが続々とやってきます。早速天皇賞(秋)にも騎乗するのが、おなじみのダミアン・レーン騎手、クリスチャン・デムーロ騎手、そして今回が初来日となるアレクシ・プーシャン騎手の3人。
レーン騎手とC・デムーロ騎手は既に日本適性も証明済みなので、今回はプーシャン騎手を取り上げます。
~まだ日本での騎乗歴はないが注目すべき理由~
といっても、プーシャン騎手は今回が完全に初来日。WASJでの騎乗歴もありません。それでも今回どこよりも早く取り上げようと思ったのは…
「日本適性が高く成功する可能性大」
だと考えるからです。
短期免許で来日する騎手は評判倒れのケースも多々。日本に適応できずに帰っていくケースがこれまで何度もありました。
しかし、プーシャン騎手は恐らく日本に合うと思うんですよね。
その1つの根拠は、日本に適応しやすいフランスを主戦とするジョッキーという点。短期免許の騎手といっても、普段乗っている国は様々。イギリス、ドイツなど欧州勢に加えて、オセアニア、香港、あるいは中東などなど。基本的に活躍している国のスタイルで騎乗するので、本国では活躍できていても、日本ではイマイチというケースもあります。
そういう意味で、フランスのジョッキーは安心感があります。もちろん第一人者がクリストフ・ルメールであることは言うまでもありません。なお、C・デムーロも母国はイタリアですが、今はフランスを主戦にしています。
~G1勝利からスタイルを分析する~
まず簡単ではありますが、プーシャンがどんな騎手かまとめておきましょう。
前述通り出身はフランスで、拠点もフランス。年齢は現在25歳。学年でいうと岩田望来騎手、団野大成騎手、菅原明良騎手などと同じなので若手というイメージでしょうか。
とはいえ、実績はかなりのモノで昨年のフランスリーディング3位、今年も4位。G1は現時点で通算9勝。特に牝馬マルキーズドゥセヴィニエとのコンビではG1・5勝と大活躍。既に本国ではトップジョッキーといっていいでしょう。
スタイルを知るために、これまでのG1制覇の内容を振り返ってみます。
