競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「有馬記念をジョッキー視点で徹底展望」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
※今回が2025年最後の更新です。次回の更新は1/8(木)になります。
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朝日杯FSはだいたい能力通りの決着となりましたが、その中でダイヤモンドノット=ルメール騎手の運びの上手さが光りました。ルメール騎手の逃げは、逃げているわけではなく、1番手で進めているという感覚なんですよね。
この違いは結構大きいです。
通常であれば文字通り、逃げ=積極策。一方、ルメール騎手の場合は、馬のリズムを重視して運んだ結果、一番前にいるという形。これは何が違うかというと、ハナを奪うまでに負荷を掛けていないので、前半のスタミナのロスがないんですよね。時折見せるマクリも、無理に抑えず運んでいるだけなので、最後まで脚が持ちます。
ダイヤモンドノットはもともと素直で操縦性の良いタイプですし、今回は距離延長に加えて外枠、さらに強力な同型が不在ということで、ルメール騎手の“一番手戦法”の条件が揃っていました。先週の展望で、「ルメール騎手ならば現時点でのマイルくらいは持たせてしまいそう」というのはそういうことで、今回は必然の粘り込みでしたね。
まぁ、当たってないので偉そうなことは言えませんが…。
あと、先週はサロンの忘年会お疲れ様でした。普段お会いできない方々ともお話ができて、とても有意義な時間でした。読者の方からの感想などもいただいて、やっぱりリアルにそういう声を聴くとより一層執筆にも力が入りますね。今後ともよろしくお願いいたします。
では、今週は早速ですが有馬記念の話をしましょうか。
~有馬記念ジョッキー展望~
・アドマイヤテラ(川田将雅)
川田騎手は有馬記念でこれまで12戦未勝利。唯一の馬券圏内はダイワスカーレットの2着に突っ込んできた大穴・アドマイヤモナークで、たまたま後方待機がハマった形。
チャンスのある馬にも数多く騎乗していますが、外枠だと出して行って失速、内枠だと上手く溜められず伸びないというパターンが大半で、じっくり運ぶことを問われるこのレースに見合う騎乗はあまり得意ではなく、有馬記念に関してはいい鞍上とはいえないでしょう。
・エキサイトバイオ(荻野極)
