毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
今回は4/3(日)の大阪杯に出走するエフフォーリアについて、レース直前にお話を伺えましたので、特別編として公開いたします。
なお、今週末の日曜日も通常通りに当連載は更新いたします。4/3(日)の更新では、桜花賞に挑むプレサージュリフト、フォラブリューテの最新情報などを伺っております。日曜日の更新もお楽しみに!
――まず、先日(3/16)の地震は大丈夫でしたか?
木實谷:お心遣いありがとうございます。大きな被害もなく、翌朝から通常業務を行うことができています。
――安心しました。それでは大阪杯のお話を伺いたいのですが、大阪杯にはエフフォーリアが出走を予定しています。当連載の初回では、エフフォーリアはダービーあたりまでは、まだひ弱さが残っていたということでしたが、年が明けての状態はいかがですか?
木實谷:去年の今頃とは雲泥の差と言ってもいいぐらいです。去年の今頃は何とか身体を膨らませようと苦労しましたが、今は逆に太らないように注意していかないといけないくらいです。そういう意味でも成長を感じています。
――パワーアップした感じでしょうか。
木實谷:それもありますし、調教でのストレス(負荷)に対する耐性が上がってきましたね。以前は調教でストレスを受けて、それが馬体減という形で現れていましたが、今はそれがなくなりましたね。運動量を増やしていかないと身体が大きくなりやすいので、そこまで負荷をかけていけるか、別の意味で自分との戦いですね。
――つまり、太りやすいといことですか?
木實谷:ええ。同じ運動をしても、今までだと10キロ減っていたものが、今は減らなくなっています。食べたものが身になるということですね。人間も歳をとると、食べたものがそのまま脂肪になっちゃいますよね、あれと同じです。特に牡馬は如実に加齢による身体の変化が出てきます。
――体質は強くなるけど、今度は太ってきちゃうと。基礎的なスピードが上がるとか、そういうことではないのですね。
木實谷:そうですね。ただ、乗り込み量を増やせるということではあるので、スタミナ面だとか、地力の強化には繋がると思っています。潜在的な脚の速さを引き出すようなトレーニングが出来ていると言えるかもしれません。
――今回は初の関西遠征となります。輸送面や調教面での不安、変化はありますでしょうか。