毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・エフフォーリアの大阪杯、何が起きていたのか?
・ドバイ遠征組の近況、今後の海外遠征プランについて
エフフォーリアの大阪杯、何が起きていたのか?
――大阪杯のエフフォーリアは、まさかの9着に終わってしまいました。
木實谷:勝ったポタジェをはじめ、上位に走った馬たちとの対戦比較を見ても、今回はエフフォーリア自身が力を発揮できなかったと考えています。
――その理由、今にして思う部分などはありますでしょうか?
木實谷:ゲートに入る時に突進して、右目の上部に裂傷を負ったのですが、強くぶつけた影響で、軽い脳震盪状態の中で走った可能性もゼロではないでしょうし、輸送を含めたこれまでとの調整過程の違いなど、走れなかった原因がいくつかあって。トップホースが集まるG1レースですので、ごまかしが利かず、着順を大きく落としてしまったと分析しています。
ただ、スタート直後のハミのとり具合をみると、私たちが馬の変化に対応できていなかった可能性もあると考えています。
――馬の変化ですか。次走が宝塚記念だとすると、またしても阪神への輸送になります。例えば、ノーザンファーム天栄での調教メニューも変えるのでしょうか?