毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・オークスに向けたプレサージュリフト、エリカヴィータの状態
・天栄調整馬1~2月の不振、3月から巻き返しの秘密とは?
・固定観念に捉われないことの大事さ
オークスに向けたプレサージュリフト、エリカヴィータの状態
――まずはオークスの出走馬についてお伺いします。桜花賞11着のプレサージュリフトは桜花賞前にお話を伺いましたが、その時と比較して状態はいかがでしょうか。
木實谷:桜花賞からは順調に回復しています。クイーンCの後は回復させるのに精一杯という感じだったのですが、今回はそこから回復して、さらに乗り込めているので、感触的には前回よりも状態が良いと思います。
――あとは距離ですね。前回お話を伺った際にも、2400mには少し不安があるというお話でしたが。
木實谷:距離は心配と言えば心配ですね。近親が短距離馬ばかり出しているので、そこは気になるところです。
――フローラSを勝利したエリカヴィータの状態はいかがでしょうか。
木實谷:今回は美浦に在厩しているので、細かいところまでは分からないですが、フローラSはしっかり乗り込んで送り出せましたので、かなり自信がありました。その前のフェアリーSはレース中に不利があったこともありますが、中間に馬体重が増えてこなくて、加減しながらの調整でもありました。
――距離はどうでしょうか?
木實谷:折り合いがつくタイプなので、距離は大丈夫だと思います。エリカヴィータの母マルシアーノがキンシャサノキセキの全妹なのですが、キンシャサノキセキの仔で長い距離を走る馬もいますし、距離はプレサージュリフトよりは心配していないです。
天栄調整馬1~2月の不振、3月から巻き返しの秘密とは?
――エリカヴィータがフローラSを勝利した前日には、アナザーリリックが福島牝馬Sを勝利しました。年明けからの天栄調整馬の重賞成績を見ていくと、3~4月に入って急上昇しています。逆に言うと、1~2月が不振傾向に見えるのですが、そのあたりについては?