毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・イクイノックス&ジオグリフの日本ダービー回顧
・マーメイドS出走のスルーセブンシーズ、ゴルトベルクについて
イクイノックス&ジオグリフの日本ダービー回顧
――まずはダービーを振り返りたいのですが、(2着の)イクイノックス、仕上がりはどうでしたか。
木實谷:現状できる精一杯、力を出せる状態だったと思います。
――当日の馬体重は東スポ杯2歳Sとほぼ同じ484キロ。皐月賞から8キロ減でしたが、絞った結果ですか?
木實谷:いえ、絞ったわけではなくて、現状の完成度がこの数字だったということですね。前にもお話ししたように、この馬が完成するのはまだ先ですし、完成してくればチャンピオンになれる馬だと思っているので、もう少し長い目で見ていただければと。
――(7着の)ジオグリフについては。
木實谷:1コーナーの入りのところで収まらず、折り合いをつけるのに苦労してしまいました。その部分でのロスが最後に脚が鈍った要因に繋がったと考えています。スムーズに入れていれば、もう少し最後まで脚を伸ばせたのではないかと思っています。
――距離自体は問題ではなかった?
木實谷:そうですね。これはどの馬にも言えることですが、距離への適性というのは折り合いひとつだと考えていますので、今回に関しては2400mを走る操縦性をこちらでうまく整えられなかったかなということです。