毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・宝塚記念の振り返り、エフフォーリアの今後など
・コマンドラインのジャパンダートダービー出走について
・最近目立つノーザンサーム生産馬の芝→ダ替わり
宝塚記念の振り返り、エフフォーリアの今後など
――今回はまず、宝塚記念を振り返っていきたいと思います。1番人気に支持されたエフフォーリアは残念ながら6着に終わってしまいました。右トモの具合がどうこうという話も聞こえてきたのですが。
木實谷:最終追い切りの動きは楽な手応えで動けていましたし、肉体面での不安はなかったと思います。前走から休まずに調教を積めて、毛艶も良かったですし、ここ一連の安定した体調で臨めたと思います。
――個人的には敗因は馬場に尽きると思うのですが、レース前半の追走タイムが35.5秒以内で勝ったことが一度もない馬なので。
木實谷:なるほど。去年の今頃ぐらいの前向きさがあれば、楽に追走できていたと思いますが、今はゲートを出てからの2歩目、3歩目が渋くなっているので、加齢による影響があるのかもしれません。今回はブリンカーを付けたことで追走できましたが、大阪杯と同じ感じで行っていたら、今回の位置取りはもっと後ろになっていたかもしれません。
――元々は、もっと前向きに追走できた馬なんですね。
木實谷:元々はそうでしたけど、大きい馬って徐々にズブくなる傾向にあるんですよ。例えばデビュー当初、レースでの折り合いに苦労していたレイデオロも最後はブリンカーが必要なくらいでしたし、大型の牡馬は段々渋くなっていく傾向にあります。
エフフォーリアはより大きい馬なので、その時期が早く来ているなという印象です。悪い意味で競馬に慣れてきちゃうと言いますか。
――今後の予定については?