毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・シュネルマイスターとソングラインが1200m戦で始動する理由
・ゴールデンコンビでデビューする期待の2歳馬
シュネルマイスターとソングラインが1200m戦で始動する理由
――シュネルマイスターとソングラインとのマイルGI馬2頭がスプリント戦線に参戦するようですね。
木實谷:そうですね。シュネルマイスターはスプリンターズSから、ソングラインはセントウルSから始動する形になります。
――どのような意図で1200m戦から始動するローテーションを選ばれたのですか?
木實谷:ソングラインはこの秋、ブリーダーズカップマイルの遠征も視野に入っています。ブリーダーズCが行われるキーンランド競馬場のマイル戦はスタートしてすぐにコーナーに入るコースで、ポジション取りが非常に重要になってきます。ですから、テンから積極的に出していく競馬に慣れる目的で、セントウルSからスタートしようと。
――そうなると、ブリーダーズカップマイルは距離延長ローテになりますが、ノーザンファーム天栄では、距離延長、距離短縮を意識した調整方法はあるのでしょうか。
木實谷:いえ、そこまではないですね。基本的には疲れをほぐすというのが主ですし、ソングラインの場合はセントウルSの後、輸送までだいたい5週間ぐらいありますので、身体の疲れをとって、心肺機能を落とさないようにするというのに専念すると思います。
――では、シュネルマイスターのスプリンターズS参戦については? 毎日王冠ではなく、スプリンターズSの選択した意図とは?