毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・アメリカ遠征を控えたソングラインの始動戦
・ノーザンファーム天栄調整馬不在の新潟2歳S
・新潟2歳Sで考えるディープ、ダノンバラードの適性
アメリカ遠征を控えたソングラインの始動戦
――いよいよソングラインのセントウルSですね。アメリカ遠征に向けての1200m出走ということを以前伺いましたが、直近の状態はいかがですか?
木實谷:ヴィクトリアマイルから安田記念というタイトなローテーションから順調に回復して、良い感じできていると思います。脚元や骨、筋肉などがしっかりして、だいぶ完成されてきました。調教の反動が少なくなり、疲労の回復も早くなりましたし、その分たくさん乗れるようになりましたので、パフォーマンスアップに繋がると考えています。
――セントウルは叩き台という意味合いもあるかと思いますが、1200m戦だと後ろからの競馬になりますよね?
木實谷:きっとテンが速いでしょうから、必然的にそうなると思います。うまく差し込んできて欲しいですね。
――阪神だと後方からでは厳しいでしょうが、中京の1200mであれば、短距離寄りのマイラーでも走れますからね。
木實谷:次に向けても良い競馬になってくれればと思います。
――続いては、2歳馬について伺います。8/27の新潟芝1800mでデビューしたアスコルティアーモは1番人気で3着でした。
木實谷:自信はあったのですが、結果的に思い通りの進路取りができなかったですね。ただ、最後は伸びてきたので、そこは良かったです。しっかり伸びてきたので能力があることは確認できましたから。次でしっかり決めたいですね。
――翌日の新潟芝1600mでデビューしたクロスライセンスは見事に勝利しました。
木實谷:時計的には恵まれた部分もありましたが、そういう運も大事ですから。1つ勝ったことで、焦らずにじっくりと鍛えられますので、これからが期待ですね。
ノーザンファーム天栄調整馬不在の新潟2歳S
――そして新潟2歳Sですが、こちらはノーザンファーム天栄調整馬の出走がなかったですね。