毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・イクイノックスの天皇賞・秋制覇を振り返る
・上位独占も狙える東スポ杯2歳S出走馬情報
・マイルCS制覇を狙うシュネルマイスター直前情報
イクイノックスの天皇賞・秋制覇を振り返る
――まずはイクイノックスの天皇賞・秋優勝、おめでとうございます! 2018年レイデオロ、2019、2020年アーモンドアイ、2021年エフフォーリアに続き、ノーザンファーム天栄育成馬の5連覇です。
木實谷:ありがとうございます。ひとまずホッとしました。
――レース自体はドスローだったと思うのですが。
木實谷:2番手以下ですよね。かなり遅かったですね。ほとんどの馬が33秒台で上がっていますからね。
――イクイノックス自身は32.7秒で上がっていますけど、こういうレースパターンの場合はダメージが残りやすいのでしょうか?
木實谷:スローだったのでヘロヘロにはならないレースでしたが、終いはかなり脚を使わされましたからね。パンサラッサがいなければ先頭に立った時点で流しますが、そういうわけにもいかないレースでしたから。
――イクイノックスに関しては強さを見せたレースだったと思います。あの競馬でも後ろから届くんですよね。
木實谷:日曜日は土曜日よりは内が残っていたと思うんですよ。土曜日は顕著に外差しだなと思っていましたが、日曜日はけっこう内が残っていたので、そこは心配していました。
――末脚を伸ばせばOKという馬場ではありましたが、そうなると皆がそれを意識してしまって、結局パンサラッサ以外は全員脚を余しましたからね。
木實谷:ああいう競馬になると2番手の馬がキーになりますからね。
――そうなんですよね。普通に走らせれば天皇賞・秋は1分56秒台が出る馬場でしたから、2番手以降は信じられないぐらい遅かったんですよね。ただ、みんなが脚を余しながらも力通りの結果ではなかったかと。
そして1週前に遡りますが、菊花賞のドゥラドーレスは4着でした。レース後の状態はいかがでしょうか?
木實谷:既にノーザンファーム天栄に戻ってきています。元気ですけど、さすがに3000mを走ったので、筋肉の張りは感じますね。
――4着という着順に関してはいかがでしょうか? 現状の力関係なのか? 距離なのか?
木實谷:全部じゃないですか。体調自体は良かったですけど、やっぱり馬場入りの時とかテンションは高かったみたいですし、外を回ったというのもありますし、いろいろと噛み合わなかった部分がありましたね。まだまだ成長の余地を感じている馬ですので、今後に期待です。
上位独占も狙える東スポ杯2歳S出走馬情報
――ここからは今週末の話題です。マイルCSの前日には東スポ杯2歳Sが行われますが、まずは当欄でも話題にしたことがあるダノンザタイガー、状態はいかがでしょうか。