毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・ステイヤーズS出走馬情報、注目のマーカンド騎手
・ノーザンファーム天栄調整馬の在厩2戦目、その戦略
・人が叩き台と思っても、馬は叩き台とは思っていない
ステイヤーズS出走馬情報、注目のマーカンド騎手
――今週末の重賞レース出走馬ですが、チャンピオンズCはノーザンファーム天栄調整馬が不在ですね。
木實谷:ダート路線で活躍馬を送り出すことは、ここ数年続いている課題ですので、色々と試行錯誤して取り組んでいかなくてはなりません。ちなみに、ステイヤーズSにはベスビアナイトとシークレットランが出走を予定しています。
――これは馬券的に面白そうな2頭ですね。ベスビアナイトは8月の札幌戦から間隔が空いたのには何か理由はあるのでしょうか。
木實谷:適鞍待ちですね。ステイヤーズS、ダイヤモンドSと長距離重賞を使うための充電期間に充てていました。使おうと思えばいつでも使えるぐらいの状態ではありましたよ。
――ここ3戦は岩田望来騎手が乗っていますが、今回の鞍上は?
木實谷:マーカンド騎手にお願いしました。動かす技術が凄いので、ベスビアナイトのようなタイプにはぴったりだと思っています。来日後の活躍を見ても、これまで動かせなかった馬をどんどん動かして勝ち切っていますからね。
ノーザンファーム天栄調整馬の叩き2戦目、その戦略
――マーカンド騎手で思い出したのですが、先日、マーカンド騎手騎乗のセラフィナイトに馬券でやられたんですよね(笑)。ノーザンファーム天栄から入って2戦目というのもあって軽視したのですが、あっさり勝たれてしまいました。セラフィナイトが所属する宮田厩舎ですが、最近はノーザンファーム天栄からの在厩2戦目での好走率が高いですよね?
木實谷:そうですね。厩舎サイドと意思疎通しながらできている成果もあると思います。
――ノーザンファーム天栄帰り初戦はダメでも、2戦目で勝つパターンもありますよね。木實谷さんの感覚でいいのですが、ノーザンファーム天栄帰りから2戦目で上積みのある厩舎って宮田厩舎の他にありますか?