毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・有馬記念回顧、イクイノックスの可能性
・エフフォーリアの敗因分析
・AJCCに出走予定のエピファニーについて
有馬記念回顧、イクイノックスの可能性
――今回は有馬記念の振り返りをお願いいたします。改めてになりますが、イクイノックスが有馬記念を勝利。年度代表馬への選出も決定しました。おめでとうございます。
木實谷:ありがとうございます。JRA賞は毎年の目標の1つですが、昨年は天栄全体として成績を満足にあげることができなかった中で、『2023年もがんばろう』とスタッフを勇気づける有馬記念の勝利、年度代表馬の受賞だったと思います。
――レース前の状態はどうだったのですか?
木實谷:これ以上ない状態だったと思います。これまではレースを使うと回復に時間が掛かっていましたが、天皇賞・秋の後は使ってさらに上昇している感じでした。レースのパフォーマンス自体も感触通りで、天皇賞・秋よりもいい走りを皆様にお見せできたと思っています。
――レース後の様子はいかがですか?
木實谷:正直、有馬記念はデキが良すぎると感じていただけに、レース後に反動が出ることも想定していました。こちらが思っていた以上に馬が良くなっていく中で、どこでピークを過ぎてしまうか懸念していたのですが、幸い天栄に戻ってからも順調な回復ぶりを見せていて、肩回りのボリューム感などを見ていると、むしろさらに馬が良くなってきた印象です。
だからなんというか・・・・・・、ありきたりの言葉になりますが、底が知れないですね。まだ奥がありそうだなという感じで馬を見ています。
――こうなると今年も楽しみですね。
木實谷:ええ、本当にこの馬がどこまで成長していってくれるのか楽しみでなりません。まずは無事に送り出すということが一番ですが、さらにいいパフォーマンスをお見せできるようにトレーニングを積んでいきたいと思います。
エフフォーリアの敗因分析
――もう1頭の出走馬エフフォーリアは5着でした。