毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・タスティエーラが天栄で調整した真相
・サリエラ、目黒記念に出走。凱旋門賞へのプラン
・早期デビュー予定のオススメ2歳馬情報
タスティエーラが天栄で調整した真相
――今週末はいよいよダービーです。スキルヴィングについては前回伺いましたが、皐月賞の2着馬タスティエーラ、この中間はノーザンファームしがらきではなく、ノーザンファーム天栄に入りましたが、状態はいかがでしょうか?
木實谷:今回に関しては、皐月賞からダービーまでの時間と輸送を考慮して、2週間弱天栄で調整を行いました。以前との比較はつかないのですが、毛艶も良いですし、元気も良かったですよ。
サリエラ、目黒記念に出走。凱旋門賞へのプラン
――また、ダービー当日は目黒記念も行われますが、サリエラの登録予定にも驚きました。凱旋門賞に登録したという報道もありましたね。
木實谷:はい。先日一次登録を済ませました。
――まず目黒記念に向けて状態はいかがですか?
木實谷:今までにないぐらい良い状態ですよ。身体も増えましたし、毛艶も良いですしね。今までより遥かに良いパフォーマンスが出せるのではと期待しています。
――今回も間隔をキッチリ空けての出走になりますが。
木實谷:今までは一度使うと、次走への態勢を整えるのに4~5か月程かかっていたのですが、今回は同じ4か月でもはるかに良くなってくれたので、非常に楽しみにしています。10~20キロのプラス体重で出てきて欲しいですね。
――いよいよ本格化ですね。となると、次も中4か月だとちょうど凱旋門賞ですか。
木實谷:まだ凱旋門賞の出走が決まっているわけではありませんし、今回の結果を見て、今後の方針を決めていくことになると思います。ただ、馬の方は大分しっかりしてきた印象ですので、これまでよりは短い間隔で出走スケジュールを組んでいけるのではと想定しています。
――馬も充実してきた証拠ですね。そうなると札幌記念とかでしょうか。
木實谷:そうですね。8月であればレース間隔的にもちょうどいいですし、目黒記念を良い内容で終えることができれば、視野に入ってくると思います。
――今回の距離(2500m)については?
木實谷:全姉のサラキアが同距離の有馬記念で2着と結果を残していて血統的な裏付けもありますし、サリエラ自身もスタミナのある馬だと思っているので、距離は全然心配していませんよ。
早期デビュー予定のオススメ2歳馬情報