毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・エプソムC最新情報
・期待が高まる新種牡馬ニューイヤーズデイ
エプソムC最新情報
――今回はエプソムCの出走予定馬から教えてください。
木實谷:現時点でまだはっきり決まっていないところがありまして(5/19取材時点)。メイSに出走するエピファニーやキングストンボーイの結果次第だったり、インダストリアが安田記念を除外になる場合はエプソムCを使う可能性もあります。グラティアスも賞金的に出られるか微妙なんですよ。
――東京1800m重賞なのに意外です。直線の長いワンターンですから、ノーザンファーム天栄の馬はエプソムCに向いてそうですけど。
木實谷:意外と決まっておらず・・・。出せそうなのはいるけど、現時点で確定しているのが少ないという感じです。個人的にはエプソムCは好きなんですけどね。
――安田記念かもしれませんが、インダストリアで少し伺います。左回りがダメなのは、何が明確な要因があるのでしょうか?
木實谷:東京でも勝っているので、左回りがダメという訳ではないのですが、あるとすれば馬体の歪みでしょうね。左右の歪み。若い頃に右腰を痛めているので、それが影響しているんだと思います。なので、体がもう少ししっかりしてくれば左回りでも普通に走れると思いますよ。現状はまだ途上な気はしますね。
期待が高まる新種牡馬ニューイヤーズデイ
――では話題を変えまして、今年の新種牡馬について伺います。ニューイヤーズデイ産駒はノーザンファーム生産も多いですよね。産駒の印象はいかがでしょうか。
木實谷:みんな馬体にボリューム感があって良いですよ。堅実そうな感じがしますし、産駒の平均値が高いと思います。まだ大物が出るような繁殖についていないというのはありますけど、非常に楽しみな種牡馬です。
――産駒のマキシマムセキュリティがケンタッキーダービーで1位入線も降着になりましたが、あれが1着だったら、ニューイヤーズデイは日本に来たのかな?と。あのまま勝っていたら、ケンタッキーダービー馬の父ですから、さすがに売ってくれないと思うので。母父ディープインパクトにつけたら芝馬も出そうですし。ドレフォンより芝で走る馬が出ても驚かないですよ。