毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・今年も高額落札が続出! セレクトセールの振り返り
・初ダートのオーソリティなどエルムS&レパードSの出走馬最新情報
今年も高額落札が続出! セレクトセールの振り返り
──今回は先日開催されたセレクトセールを中心に伺います。まず、今年の全体的な印象をお聞かせください。
木實谷: 1歳に関してはセリの価格が伸びた馬と伸びなかった馬がはっきりと分かれた印象ですね。1歳になると大きさやボリューム感など判断材料が増え、明確に小さい馬や幅のない馬はお客様に敬遠された印象でした。とはいえ、最終的に何が走るか分からないですからね。来年以降、セール出身の馬が天栄に来た際には、しっかりと管理を進めていきたいと思います。
──当歳ではコントレイル産駒が軒並み高値を付けました。
木實谷: 当歳は可愛いな~ぐらいしか分かりません(笑)。基本的には馬の能力はデビューに近づけば近づくほど分かるはずですし、セリでよく見えても調教で動かなければ全くダメな訳で。当歳については、分かる人に教えてもらいたいのが本音ですよ(笑)。
──当歳の総売り上げは新記録でした。
木實谷: 当歳は買われる方にとって、これから良くなるかもしれないという未知の魅力があるのではないでしょうか。これが1歳の7月だと、前述のように判断材料が増えてきますからね。
──当歳は期待値込みの値段ということですね。
木實谷: そうですね。それも大きいと思います。
──1歳馬に関しては、良い馬だなと思うのにはそれ相応の値段が付いていましたか?