毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・天栄&亀谷サロン合同バーベキュー大会開催!
・2歳戦振り返り(ガルサブランカ、チェルヴィニア)
・4連勝のドゥレッツァ&関屋記念勝利アヴェラーレの今後
天栄&亀谷サロン合同バーベキュー大会開催!
──先日、ノーザンファーム天栄で、木實谷さんをはじめ、スタッフの皆さんと亀谷競馬サロンの合同バーベキュー大会が開かれました。楽しかったですね~(笑)。サロンメンバーも世界一のイクイノックスをはじめ様々な仔を見せていただき、天栄の皆さんと語らうことができて大喜びでした。
(※)亀飯特別編!亀谷サロンバーベキュー大会 in ノーザンファーム天栄を開催いたしました!
木實谷: こちらこそありがとうございました。うちのスタッフとサロンメンバー様、総勢25人以上ですか。盛り上がりましたね。ウチのスタッフも色々な話を聞けて勉強になったようです。仕事柄、なかなか異業種の方とお話しする機会もないので、いい機会を設けていただきました。あと、亀谷さんが持ってきてくれたお肉がヤバかったです(笑)。
──焼肉の名店、奈良の本家「きみや」から特別直送のお肉です。グルマンの方々もSNSで世界1位と評価する方も多いですよ。
木實谷: 天栄スタッフでもバーベキューはするんですよ。今後が大変です(笑)。
──「世界1位」の基準を知ってしまうとですね(笑)。「世界1位」といえば、アーモンドアイやイクイノックスを知ることで、ホースマンもそれに合わせた育成ができるようになるのと同じでしょうか。どんなにいい馬が出ても、重賞を勝てないノウハウの厩舎に入ったらどうしようもないですから。ということでバーベキューは「きみや」のお肉だけではなく、ミシュランを複数回取ったトップシェフに下準備をお願いして、天栄にもお越しいただいたわけです。
木實谷: いい素材を人が知り、育むノウハウを持つことが大事ですね。いい会でした。
2歳戦振り返り(ガルサブランカ、チェルヴィニア)
──いい素材といえばイクイノックスの妹ガルサブランカが強い競馬を見せてくれました。
木實谷: とりあえず無事に終わってよかったです。
──期待通りの走りでした?
木實谷: レース前の感触よりちょっと課題が見えたというところでしょうか。返し馬からハミ受けの部分で敏感なところを見せていまして、4コーナーでもちょっと頭を上げるシーンがあったんですけど、そういうところが終いの反応、エンジンがかかるまでの反応の鈍さに繋がったのかなと思っています。
新馬戦だからどの馬も改善する余地は多かれ少なかれ出てくるんですけど、この馬には求めるものも大きく、期待の大きい馬なので、ちょっと辛口な採点になりました。
──速さは思った通りの才能がありました?
木實谷: そうですね。エンジンがかかってからはよかったと思います。ただエンジンがかかる前までの反応の部分は、こちらでの想定よりも鈍さを感じましたね。そのあたりを修正していきたいと思います。
──1回使ってテンションは上がると思いますが、どの程度でしょうか?
木實谷: まだ帰ってきたばかりで乗っていないのでテンションが上がっている感はないですが、馬房では日中もよく寝ているので、疲れはあるんだなと思っています。とはいえ、こちらに戻ってきて1週間ちょっとでトレッドミルで運動を始めたので、次のレースは決めつけずに馬の状態に合わせていきたいと思います。
──そしてもう1頭の素質馬チェルヴィニア。未勝利戦は楽勝でした。もっとも、前回もボンドガールがいなければ楽勝だったわけですが。
木實谷: 新馬で時計の裏付けもありましたけど、改めて能力はかなりのものだなと認識しました。レース後は速い時計で走ったこともあってちょっと脚にむくみが出たり、使ったなりに疲れはありますね。
──チェルヴィニアの次走は決まっているんでしょうか?