毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・天皇賞・秋のイクイノックス最新情報
・アルテミスS&スワンSの出走馬最新情報
・リニューアルされた美浦坂路について
天皇賞・秋のイクイノックス最新情報
――今週末の天皇賞・秋でイクイノックスが秋緒戦を迎えます。
木實谷:春はドバイ後の調整が難しかったのですが、宝塚記念後は順調にきています。去年の天皇賞・秋よりも良い状態だと思います。美浦に送り出してからも厩舎の方で3週前、2週前、1週前と段階を踏んだ調教ができていますので、このままレース当日まで調整がうまく進むことを願っています。
――最大目標はジャパンCということですが、それでも天皇賞・秋を使う理由を教えてください。
木實谷:天皇賞・秋を使ってさらに良くなるという見込みですね。
――ジャパンCまで中3週ですが、反動は出ないと。
木實谷:ええ、昨年の経験と一年経っての成長度合いを踏まえると、中3週でも上積みをもって臨めるだろうと考えています。そういった意味では、昨年天皇賞・秋を使って、その後の過程を経験していることは大きいですね。
――いよいよ完成の域に達したということでしょうか。
木實谷:そうですね。心配なところはないので、何度も言いますが、あとは無事を祈るのみです。この4歳の秋は馬の充実期ですので、皆様にこの馬らしい素晴らしい走りをお見せできればと思います。
アルテミスS&スワンSの出走馬最新情報
――天皇賞・秋の前日に行われるアルテミスSにはチェルヴィニアとスティールブルーが出走ですね。
木實谷:チェルヴィニアは前走を速い時計で走ったこともあって、デビュー戦後よりは疲れた様子を見せていました。
――それでもアルテミスSに出走するということは、持ち直してきたということですよね。