毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手：亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・ファルコンS回顧、脚質転換を試みたシュトラウス
・スプリングS回顧、気になるシックスペンスの状態
・日経賞＆毎日杯回顧、ニュージーズまさかの大敗
・皐月賞に挑むレガレイラ＆アーバンシックの最新情報
ファルコンS回顧、脚質転換を試みたシュトラウス
――まずはシュトラウスのファルコンSを振り返っていただきたいと思います。戦前には最後に脚を伸ばすレースを教えていきたいということでしたが、結果は直線で不利もあって9着でした。
木實谷：あれは結果論ですので仕方ないですね。ただ、ゴールを過ぎてからもビュッと脚を使っていたので、次に繋がる内容だったと思います。次はシンプルに競馬をすれば一定の結果を出せそうだ、という感触は掴めました。
――次走予定は決まっているのですか？
木實谷：NHKマイルCに向かいます。
――となると、次回は距離延長になりますね。
木實谷：我慢する競馬を覚えたという意味では、前回のリカバリーができたと思っています。こういう競馬を練習するなかで、今後は周りの馬と一緒の位置でも最後に脚を使う競馬ができるようになればと思います。今はまだ周りに馬がいないシチュエーションじゃないと厳しいと思いますので。
スプリングS回顧、気になるシックスペンスの状態
――翌日のスプリングSはシックスペンスが1着、アレグロブリランテが2着と、ノーザンファーム天栄調整馬のワンツーとなりました。さすがですね。
木實谷：現地で見ていたのですが、この日は本当に風が強かったですね。シックスペンスもアレグロブリランテもこの日の天候や馬場をうまく味方につけて、上手に立ち回ってくれたと思います。
アレグロブリランテは返し馬の段階でジョッキーが強めに出していったので、レースでも逃げるんだろうなとは思っていました。そういったことも含めてうまくいったと思います。
――返し馬で分かるものなのですね。
木實谷：いい意味でジョッキーの意図が伝わってきた返し馬でした。年間を通してもあんなに一歩目をギュッて出していく馬はそんなにいないですよ。いかにもスタートダッシュを意識したような出し方だったので。
――結果スタートを決めて、2着に逃げ粘りましたからね。シックスペンスの方はルメール騎手らしいロスのない丁寧な走りでした。
木實谷：そうですね。前走もそうでしたけど、好スタートからいい競馬をしてくれました。この中間で馬がしっかりしてきて、前回よりも今回の方が調教を積めていました。そういった部分でしっかり上積みをお見せできたと思います。
――シックスペンスは皐月賞を見送りダービーとのことですが、アレグロブリランテは皐月賞ですよね。
