毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・東京開催を中心に新馬戦の振り返り
・毎年注目の新潟デビュー組、開幕週のラインナップ
・ボンドガールなどクイーンS出走予定馬情報
東京開催を中心に新馬戦の振り返り
――今回はここまでの新馬戦について振り返ります。6/22(土)の東京5R(芝1800m)は、当欄でも話題に挙げていただいたプリモシークエンスが出走を回避しましたが、モンドデラモーレが勝利しましたね。
木實谷:右前膝の腫れでプリモシークエンスを使えなかったのは残念でしたが、モンドデラモーレは天栄での動きも良かったですし、最終追い切りも併せ馬で楽々先着していましたからね。期待通りに走ってくれて良かったです。
――続く東京6R(芝1400m)はダノンマッキンリーの妹・デアマトローナが2着でした。デアマトローナのレース振りについては?
木實谷:直線入り口で狭くなったところで下がりかけたのですが、外に切り替えてからまた伸びてきてくれたので、次に繋がるレースになったとホッとしました。追い切りの動きからも、ちょっと心配していたところがあったので。レース後は馬にダメージはなく、天栄でも騎乗運動を開始しており、新潟開催での出走を目指しています。
――23日の東京5R(芝1600m)はジョリーレーヌが1着、ヴァルキリーバースが4着でした。
木實谷:ジョリーレーヌは戦前の感触通り、返し馬でも元気一杯に走っていたので、いかにも新馬向きというタイプでしたね。スローペースでしたが、終いは楽々抜けてきましたし、色々と感触通りでした。
ヴァルキリーバースは2週目の1800mを使う予定でしたが、熱発でこちらにスライドしました。また水曜日に傷腫れで追い切ることができず、木曜日に軽く追い切って使った面もありますので、それを考えるとよく走ってくれたと思います。もともと距離が延びて良さそうなタイプでしたので、今回は距離適性の差も出たかなという印象です。次が楽しみになるレースだったとは思います。
――ジョリーレーヌはモーリス×ロードカナロア×クロフネですから、将来的にはマイルより短い路線の可能性がありそうですね。
木實谷:そうですね。そう思っています。
――6/30(日)の函館5R(芝1800m)はプレシャスデイが3着でした。
木實谷:こちらは北海道から直接函館に入厩しているのですが、ニューイヤーズデイ産駒で、母系もダート血統なのですが、芝の1800mで良い内容の競馬だったと思います。
――同日の福島5R(芝1800m)ではニヴルヘイムが2着でした。
木實谷:追い切りの動きも良く、予定より1週前倒しで使ったのですが、初戦としては良い内容でした。少し気持ちが入りやすいところがありますので、次走では落ち着いて臨めるように工夫していきたいと思います。
――今週から新潟開催が始まり、折り返しの未勝利戦を使う馬も増えてくると思いますが、ここまでの全体的な2歳馬の感触はいかがでしょうか?
木實谷:東京開催終了時点での勝ち上がり頭数が7頭で、これは昨年より1頭多いので、まずまずだと思います。デビュー頭数が去年より減っているのは、出だしが遅かった影響だと思いますが、それも含めてもまずまずかなと思っています。
――例年の傾向だと、新潟開催を目標にしている馬が多いでしょうからね。
木實谷:そうですね。新潟はアルレッキーノなど東京からの折り返しで未勝利を使っていく馬もいますし、新馬、未勝利ともご注目ください。
毎年注目の新潟デビュー組、開幕週のラインナップ
――では早速ですが、新潟開幕週デビュー予定の馬について教えてください。