毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・七夕賞など7月序盤戦の注目レース振り返り
・注目のFrankel産駒など今週末デビューの2歳馬情報
・ミッキーファイトなどレパードS出走馬情報
七夕賞など7月序盤戦の注目レース振り返り
――今回は七夕賞の振り返りから始めようと思うのですが、3着に好走したノッキングポイントがレース後に屈腱炎を発症、現役を引退との報道がありました。七夕賞の内容から復活の気配が感じられただけに残念です。
木實谷:そうですね。復帰戦となった金鯱賞から、1戦ごとに上昇気配を見せてくれていたのですが…。
今回も素晴らしいスタートを切って、道中も良いポジションで走れていましたし、本当に良くなっていれば、最後はもっと食らいついていけたのでしょうが、次は更に良い状態で送り出せそうな感触を掴んだだけにといったところですね。競走馬ですから仕方のないところではあるのですが。
――今回の屈腱炎は完治が難しい状況だったのでしょうか?
木實谷:箇所が箇所ですし、損傷の程度から競走馬として走れるまでに治すのは難しいという判断になったのだと思います。再発のリスクもありますしね。
――続いて翌週の函館2歳Sではエンドレスサマーが3着。こちらはいかがでしょうか。
木實谷:中1週でしたが、頑張ってくれたと思います。もうちょっとスムーズに捌ければ2着はあったかなという感じではありましたが、良く走っていると思います。
――新馬戦では、7月6日の福島芝1800mでアドマイヤマーズ産駒のマーズオデッセイが勝利しました。
木實谷:スタートから良い位置を取れて、最後もしっかり抜けてくる良い内容だったと思います。改めてアドマイヤマーズは良い種馬だなと思いましたね。セレクトセールの前に3つ勝ちましたし。新馬勝ちはできませんでしたが、東京の開幕週で2着に走ったエンブロイダリーも奥がありそうな感じがしていますし。
――アドマイヤマーズ産駒はどのような部分が良いのでしょうか?
木實谷:どの馬も身体があるので調教がしやすいですし、能力も高いですよ。後々はダートもこなしてくると思うので、アベレージが高い印象ですね。馬主様、会員様におすすめしたい種牡馬です。爆発的な活躍をする馬が出るかどうかはこれから次第ではありますが、馬体的に見た目が良い仔が多いですからね。
――7月14日の福島芝1800mではシルバーステート産駒のホウオウガイアが勝利しました。
木實谷:こちらも良い勝ち方でしたね。特に4コーナーから直線入口の脚は際立っていたと思います。
――距離的には1800mぐらいが合っていますか?
木實谷:そうですね。ちょっと気が入りやすいので、一度使ってからも落ち着いて過ごせるといいですね。
注目のFrankel産駒など今週末デビューの2歳馬情報
――続いては、今週末デビュー予定の2歳馬について教えてください。