毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・福島&新潟の注目新馬戦振り返り
・単勝1.5倍での敗戦、その要因を考える
・今週末の注目新馬&札幌記念のジオグリフ情報
福島&新潟の注目新馬戦振り返り
――今回は福島最終週、新潟開幕週の新馬戦について伺います。7/20(土)の福島2000mはヴィジョンメーカーが2着、レッドベルダンスが3着でした。
木實谷:2頭とも良い意味で戦前に抱いていた課題通りの走りでしたので、次に向けて修正していければと思います。特にヴィジョンメーカーは荒削りな内容での2着でしたので、修正点が見えたという意味では次に繋げていけると思います。
――翌21日(日)の福島1800mはブラックルビーが圧倒的人気に応えて勝ち上がりました。
木實谷:競馬に関しては言うことのない内容だったと思います。ちょっと体重減だけが心配だったのですが、思ったよりも減らず良かったと思います。
――同日の芝1200mはヴィンブルレーが勝ち馬から半馬身差の2着でした。
木實谷:若干忙しいなか、テンから促していった分だけ最後に目標にされてしまった形でしたが、初戦としては良い内容だったと思います。
――翌週の27日(土)、新潟芝1800mの未勝利戦はエンブロイダリーが単勝1.1倍に応えて圧勝しました。時計もレコードでしたね。
木實谷:良かったです。一度使った上積みをお見せできたと思います。課題を挙げるとすれば、返し馬でもちょっと力んで走っていましたし、ゲートを上ずって出てしまった部分ですかね。今回は周りが遅かったのでハナを切れたのですが、クラスが上がるとちょっとしたことでもロスに繋がりますので、次走に向けて修正していきたいと思います。
とはいえ、レコード勝ちだったように脚力自体は見せてくれましたし、あの内容を見てもらえれば、能力は一目瞭然だと思います。次も力を発揮できるように調整していきたいと思います。
――気性的にハナに行った方が良いタイプなのでしょうか?
木實谷:いや、それはないですよ。今回はスピードの違いでハナに行っただけですから。8/1にこちらに戻ってくるので、疲れの回復を確認しつつ、上積みが見込めそうなところで次走を決めたいと思います。
――新潟ダ1200mの新馬戦はリッスンクロースが1番人気に推されるも7着でした。距離的に忙しかったですか?
木實谷:というよりも、内枠で砂を被って前進気勢を削がれてしまった方ですね。これは仕方ないですね。
――次走は距離を延ばす可能性はありますか?
木實谷:乗り出してからの動きを見てから判断したいと思います。ハミ掛かりが良くなっているようなら、もう一度1200mを使うでしょうし、あまり変わっていなければ距離を延ばすことも考えていきます。
単勝1.5倍での敗戦、その要因を考える
――この日は新馬戦ではないのですが、気になったレースがありまして。1勝クラスのダ1800m戦で単勝1.5倍のソレルビュレットが3着に敗れてしまいました。この結果について伺いたく。