毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手：亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・札幌記念＆新潟2歳Sの振り返り
・プリモシークエンスなど気になる2歳戦回顧
・レーベンスティールなどオールカマー出走馬情報
・今週末デビュー予定の2歳馬情報
札幌記念＆新潟2歳Sの振り返り
――今回は重賞の振り返りからお願いします。まず札幌記念ですが、ジオグリフが2着に好走しました。
木實谷：良い内容でしたね。逃げた馬に付いていけばもうちょっと際どかったとは思いますが、よくがんばってくれたと思います。
――ジオグリフ、秋の予定は？
木實谷：レース後の状態を確認してからになりますが、国内外問わず、この馬に合ったレースを選択したいと思っています。
――続いて新潟2歳Sですが、ジョリーレーヌが5着、スターウェーブが6着でした。
木實谷：スターウェーブはちょっと出負けしてポジションを取りに行った分、道中で行きたがるところがありましたね。そのようなロスが最後の伸びを欠く原因になったかなと考えています。それとレース自体が外有利の展開になってしまったので、それぞれ1番枠、3番枠に入ったのが結果的にかわいそうでしたね。
特にジョリーレーヌは枠が外であれば圏内に食い込むところまでは来られたと思うので、残念でした。
――ジョリーレーヌに関してはレース前の当欄で「一度使ってかなり気が入っていると思うので、そのあたりがどう出るか」ということでしたが、実際はどうでしたか？
木實谷：調教師からは、装鞍所で多少テンションが上がったけど、基本的には落ち着いてレースに臨めたと聞いています。
――であれば、「マイルまでは持って欲しい」とのことでしたが、大丈夫そうですね。
木實谷：そうですね。道中の運び方ひとつで十分走れる距離だと思います。
プリモシークエンスなど気になる2歳戦回顧
――続いては気になる2歳戦を振り返っていただきます。まず、8/18(日)の新馬戦(新潟芝1800m)はプリモシークエンスが3着でした。元々東京デビューを予定していた馬ですね。
木實谷：調教の段階から左にモタれるところがあったり、手前を替えるのもまだ上手ではなかったりするので、そういった面が出た印象ですね。これから修正すべき点が分かったのは良かったと思います。
――同日の未勝戦(新潟芝1800m)ではシルバーレインが前走からの上積みを見せて圧勝しました。
木實谷：強かったと思います。ジョッキーの感触も非常に良かったということで、今後が楽しみになりました。どの馬も最初からこういう競馬をして欲しいですよね(笑)。
――初戦の1600mから距離を延ばしましたが、距離的には中距離向きですか？
木實谷：1600～2000mでしょうね。男馬なので2000mまでは持って欲しいですね。今回は返し馬でかなり引っかかったようなので、そのあたりは今後に向けて取り組んでいく必要があると思います。次走は東京開催の同じような条件を考えています。
――8/24(土)の新馬戦(新潟芝1600m)ではカーラデマドレが1番人気に推されるも4着に敗れました。
