毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・8馬身差のヘニーガイストなど注目新馬を振り返り
・有馬記念直前情報! 天栄勢4頭の状態、騎手配置の思惑
※今週は有馬記念の直前情報を取材させていただいたため、公開日が12/15(日)→12/19(木)になっております。なお、次回公開は通常通り12/22(日)の予定です。
8馬身差のヘニーガイストなど注目新馬を振り返り
――今回はまず注目新馬の振り返りからお願いします。11/23(土)の東京ダ1400mではヘニーガイストが8馬身差の圧勝を演じました。これは強かったですね。
木實谷:良かったです。この馬は脚元の管理が難しくデビューが遅れたのですが、元々動きは良い馬で手応えを感じていました。しっかり勝ち切ってくれて安心しました。
――この日の未勝利戦(東京芝1800m)では、2戦目のアロンズロッドが2着でした。
木實谷:初戦からマイナス12キロと馬体も絞れて使えましたし、レースとしてはちょっとした立ち回りの差だけだったと思います。少しもったいなかった部分はありますが、次に繋がる内容だったと思います。次は年明け以降になると思います。
――12/1(日)の中山開幕週では、芝2000mの新馬でスモーキーゴッドが逃げ切りを決めました。
木實谷:こちらでの動きも良かったので、感触通りだったと思います。
――シルバーステート産駒で、ワグネリアンなどが出ている名門牝系ですね。距離的にはクラシック向きでしょうか?
木實谷:マイルから2400mの間という感じですね。長距離というタイプではないと思っています。5月生まれでここまでゆっくりやってきたので、ゆっくり成長を促しながら進めていって、その結果どの距離に適性があるのかという感じですね。楽しみな1頭だと思いますよ。
――逃げ切り勝ちでしたが、レース振りを見る限り、逃げにこだわるタイプではなさそうですよね。
木實谷:そうですね。まだ1戦だけなので分からない部分はありますが、逃げないと能力が発揮できないタイプではないと思いますよ。
有馬記念直前情報! 天栄勢4頭の状態、騎手配置の思惑
――さてここからは暮れの大一番・有馬記念について伺います。今年はアーバンシック、レガレイラ、ローシャムパーク、ハヤヤッコが出走を予定していますが、まずはアーバンシックから伺います。菊花賞後の状態はいかがでしょうか?