毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・レガレイラ快勝の有馬記念振り返り
・良血ジョスランがデビュー勝ち、春の目標は?
・京成杯&日記新春杯出走馬最新情報
レガレイラ快勝の有馬記念振り返り
――今回は有馬記念の振り返りからお願いします。レガレイラ、それまでの鬱憤を晴らすかのような勝利でしたね。
木實谷:スタートこそ一息でしたが、その後のリカバリーがうまく進んで、先行馬の後ろで折り合いもついて、素晴らしいレース運びでした。最後の追い比べも含めて、ジョッキーのファインプレーだったと思います。
――レース直前の当欄では、前走は直線で接触があって傷があったが、大きなトラブルにはならなかった。メニュー通りにしっかり調教を積めています、とのことでしたが。
木實谷:エリザベス女王杯の状態が物凄く良かったので、そこから平行線かなと思っていたのですが、こちらが思うような状態で出てきてくれたと思います。
――ただ、残念ながらレース後に骨折が発表されました。
木實谷:手術を終えて、1月4日に天栄に戻ってきました。ここから復帰に向けてリハビリを進めていくことになります。JRAの発表にもあったように、幸い程度のほどは全治3か月ということで、上半期中の復帰を目指すことになります。
――6着アーバンシック、7着ローシャムパークについては?
木實谷:アーバンシックは枠が絶好だったので、ダノンデサイルの真後ろを取れるかどうかだけだったのですが。ポジションを取り切れなかったことが、最後まで響いてしまいました。
ローシャムパークに関しては、あれだけ折り合いを欠きながら、よく7着まで走ってきたと思います。最後も伸びてきましたからね。レガレイラと同じように、先行するであろう3頭の後ろにポジションを取れれば理想的だったのですが、掛かる可能性のある馬ですから、出していけなかったというのはあるかと思いますね。
――終わってみればレガレイラが勝ちましたが、アーバンシック、ローシャムパークのどちらかが勝ってもおかしくなかったレースだったのでは?と思うのですが。
木實谷:そう思います。3頭ともにチャンスはあったので、乗り方、展開ひとつでどの馬が勝っても不思議はなかったと思います。アーバンシック、ローシャムパークは既に運動を始めていますので、上半期の出走に向けて進めていきます。
良血ジョスランがデビュー勝ち、春の目標は?
――有馬記念前日の土曜日、中山芝1800mの新馬戦でエフフォーリアの全妹ジョスランがデビュー勝ちを飾りました。2着に2馬身半差をつける快勝でしたね。
木實谷:スタートセンスも良かったですし、追ってからもしっかりしていましたので、初戦としては申し分ない内容だったと思います。
――1800mデビューとなりましたが、距離的にはもうちょっと長い方が合っている感じでしょうか?
木實谷:そうですね。本当はホープフルS当日の芝2000mでデビューの予定だったのですが、身体ができていたので1週前倒しで1800mを使いました。距離はもうちょっとあっても問題ないと思います。
――この時期のデビュー勝ちですから、オークスが目標になりますか?