毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・気になる3歳戦の振り返り、次走に向けて
・京都記念にチェルヴィニア登場、ドバイも見据えて
・共同通信杯&クイーンC出走馬最新情報
気になる3歳戦の振り返り、次走に向けて
――今回はまず気になる3歳戦の振り返りからお願いします。アーモンドアイの初仔アロンズロッドですが、1/18(土)の未勝利戦(中山芝2000m)が3着でした。
木實谷:年末年始にちょっと怪我をして調教を休む期間がありまして、せっかく絞れた馬体が戻ってしまいまして。レースの2週間前に休んでいるので、なかなか厳しいですよね。むしろよく3着まで走ってくれたと思います。状態次第で続戦の可能性もありますので、次に向けてしっかり調整できればと思います。
――そしてこのレースを勝ったのがノーザンファーム天栄調整馬のシェーンシュティアでした。
木實谷:こちらはよく勝ってくれました。良かったです。ブロードアピールの牝系なので、左に張ったり、カッとしやすかったりと、気性的に難しいところがあるのですが、厩舎サイドが新馬の後に上手くひと息入れてくれて、上積みのある状態で臨めたのが良かったと思います。
――その1週前、1/12(日)の新馬戦(中山ダ1800m)ではイムホテプが2着に9馬身差を付ける逃げ切り勝ちを決めました。
木實谷:ファシネートダイアの仔で走る血統ですからね。血統的にもダートかなという感じで、こちらでも良い動きを見せていましたので、その感触通りだったと思います。成長してくれば、さらに期待できると思います。
――翌日、1/13(月)の未勝利戦(中山芝2200m)ではカーミングライツが3戦目で勝ち上がりました。前走、今回と芝に替わって変わりましたね。
木實谷:募集当時から大柄な馬で、ある程度距離があった方がいいとは思っていたのですが、その見込み通りに距離が延びて良さが出てきたと思います。馬格もあるので、最初はダートで、ということだったのですが、芝で走りましたね。
ただ、新馬の負けはダート云々というより、ちょっと使い出しが早かったかなという印象でしたので、力がついてくればダートを試しても面白いとは思っています。
京都記念にチェルヴィニア登場、ドバイも見据えて
――ここからは今週末の重賞出走予定馬について伺います。京都記念にはチェルヴィニアが出走を予定していますが、まずは最優秀3歳牝馬の受賞おめでとうございます。
木實谷:昨年は選出に見合う活躍だったと思いますし、ジャパンCでトップクラスの馬たちと渡り合えることは分かっていますので、今年は年度代表馬を目指せるような馬になって欲しいなと思います。
――そのジャパンC以来となりますが、状態はいかがでしょうか?