毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・レーベンスティール大敗のAJCCなど振り返り
・セントポーリア賞を快勝のエネルジコ、注目の次走は?
・中山記念のシックスペンス&パラレルヴィジョン最新情報
レーベンスティール大敗のAJCCなど振り返り
――今回は注目レースの振り返りからお願いします。小倉牝馬Sはシンティレーションが1着同着。杉原騎手は栗東での調教も含めて上手に乗っていましたね。
木實谷:そうですね、上手に立ち回ってくれました。実はトレセンに入ってから他の馬に蹴られてしまって、追い切りが1本できなかったんですよ。なので、レースに行ってどうかという思いがあったのですが、最後までよく頑張ってくれました。
――6歳ですが、これがラストランでしょうか?
木實谷:まだ決まっていません。前走後の回復次第ではもう1レース走る可能性はあります。
――翌日のAJCCはレーベンスティールが12着に大敗してしまいました。馬場と馬体重を見てピンチだなと予想したのですが…。
木實谷:馬体増に関してはネガティブには捉えていませんでしたが、結果的にプラス12キロというのが影響した部分はあったのかなと感じました。ただ、次に向けてという意味では、修正ポイントが分かるレース内容だったので、次は巻き返せると思います。
セントポーリア賞を快勝のエネルジコ、注目の次走は?
――続いては3歳戦の振り返りです。1/25(土)の新馬戦(中山芝2000m)をブルーマエストロが快勝しました。強い内容でしたね。
木實谷:ええ、無事に勝てて良かったです。レース自体も初戦としては良い内容だったと思います。サートゥルナーリア産駒は2/3時点で天栄から10頭デビューして8頭が勝ち上がっています。凄い数字ですよね。
――脅威の勝ち上がり率ですよね。サートゥルナーリア産駒は初勝利から次戦までの間隔を空けているイメージがあるのですが。
木實谷:いえ、サートゥルナーリアだから特に間隔を空けるようなことはないですよ。あくまで、それぞれの馬の状態を見つつという感じですね。今のところ回復に時間がかかるという印象も受けません。
クライスレリアーナが外傷してしまったり、マックスキューは脚元に不安が出たことだったりというのが重なったので、そのような印象を持たれたのかもしれませんね。
――そうでしたか。そして翌週の新馬戦(東京芝1800m)ではダノンセンチュリーとアールヴィヴァンのワンツー決着でした。
木實谷:どちらも調教の感触通り、良い走りを見せてくれたと思います。2着だったアールヴィヴァンは夏デビューの予定が骨折で遅れてしまいましたが、良い競馬だったと思います。
アールヴィヴァンに限らず、この時期にデビューする馬は何かしらの理由があって遅れていることが多いので、しっかり状態を確認しながら次走に向けて進めていきたいと思います。
――そして、セントポーリア賞のエネルジコです。スタートで出負けしましたが、やはり力が違いましたね。