毎週日曜日更新の当連載『フロントライン』は、現代競馬のキーマンとも言えるノーザンファーム天栄の場長・木實谷雄太氏に、競馬に関するさまざまなお話を伺うロングインタビューコラムです。聞き手:亀谷敬正。
▼今回の主なトークテーマ
・シュトラウスが海外レースを制覇! モレイラ騎手の凄さ
・豪華メンバー出走! 中山牝馬S最新情報
・弥生賞&フィリーズレビュー最新情報
シュトラウスが海外レースを制覇! モレイラ騎手の凄さ
――まずは7日のアブダビゴールドカップ、シュトラウスの勝利おめでとうございます。
木實谷:ありがとうございます。前走のラッセルボールディングステークスでは、輸送中に頭をぶつけるというアクシデントもありましたが、今回はその経験も活かせて、比較的落ち着いて輸送できたようです。普段通りのシュトラウスでしたね。
――レース前の当欄では、折り合い面については「モレイラ騎手は大丈夫と言っているので、それ頼みです(笑)」とのことでした。
木實谷:馬はちょっとそわそわしていたのですが、返し馬を最後出しのリクエストをしたところ、ずっと待機場で歩いていてOKということになって、結局パドックも回らずにそのままレースに行けたのも大きかったですね。
返し馬もジョッキーが気合をつけていけるぐらい落ち着いていましたし、基本的には良い精神状態で臨めたと思います。
レースではもっと収まるようにはしたいのですが、そのあたりはモレイラジョッキーがさすがでしたね。
――CBC賞で1200m、前走が1300m、今回が1600m。今後の距離選択については?
木實谷:モレイラ騎手は「距離は問題ない」と言っていました。今回マイルを走れたのは収穫だったと思いますし、いずれは2000mでもリズムよく走れるようにしていきたいです。
――モレイラ騎手以外だと好位で折り合うのは難しいですかね?
木實谷:どうなんでしょうか。本当にこの馬のポテンシャルは相当なものだと感じているのですが、いつでもモレイラ騎手が乗れるわけではありませんし、どの騎手が乗っても同じように走れるよう、引き続き調教に取り組んでいきます。
――それにしても、モレイラ騎手があそこまで抑えられるのはどうしてなのでしょうか?
木實谷:まず下半身が強いというのはあると思います。シュトラウスのように桁外れのパワーを持っている馬に乗ると、普通はジェットスキーのようにあぶみを前にして踏ん張ってしまうんですよ。だけどモレイラ騎手は下半身が強いので、あぶみをグっと踏んで我慢できるんです。
あと、私は触ったことがないので分かりませんが、とある調教師から聞いたところでは、関節がすごく柔らかいようですね。手首と上半身のしなやかさが違う。それでいて下半身が強いといのは聞きました。あと、腕も長いですよね。
――腕が長いのも重要なのですね。
木實谷:絶対重要ですよ。手が長ければ必然的に馬に近いところを持てるということですから、その分、手綱を緩めた時に弾けるんですよ。弓矢と一緒ですね。引ける距離が長ければ、その分、強く弾けるのと同じだと思います。
――シュトラウスは次走決まっているのですか?
木實谷:まずは天栄の方で3週間の着地検疫を行いますので、その間の状態次第ですね。安田記念という選択肢もあるかもしれませんし、香港で1600mや2000mを使うという選択肢もあり得ます。そういった意味では、選択肢が増えたので遠征した甲斐はありました。
――そこまでポテンシャルが高いとなると、種牡馬にしたいですよね。
木實谷:そうなんです。ポテンシャルはこれまで携わってきたGI馬と同等以上のものがあると思っています。種牡馬にするにはどこかでGIクラスを勝たなければいけないので、心身ともに良い状態で使えるように調整していきたいと思います。
豪華メンバー出走! 中山牝馬S最新情報
――ここからは今週末の出走馬について伺います。中山牝馬Sにはステレンボッシュ、アンゴラブラック、ボンドガール、テリオスララ、ヴァルキリーバースが出走を予定しています。ステレンボッシュは国枝厩舎から宮田厩舎に転厩しての初戦になります。
