競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマも前回に引き続き「白い砂」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
11月3日、いよいよJBC競走が行われますね。その舞台である大井競馬場がこの度、砂の入替を実施したことは先週、当コラムでお伝えしました。10月29日の開催から西オーストラリア州・アルバニー産の砂に変更され、レースが行われています。
2023年10月6日までの大井開催で使用されていた砂は青森県つがる市、六ヶ所産の海砂(洗浄砂)と青森県東通村産海砂(新砂)でした。
今回、なぜ砂を入れ替えることになったのかというと、砂質の劣化が原因です。TCK広報によると、『数年前から青森県産のクッション砂がつぶれやすく、シルト化(泥化)が早くなってきたことにより、排水性の確保が難しくなっていました。砂洗浄や排水改善の工事などを実施してきましたが、大きく改善しませんでした。そのため、馬場に適しているクッション砂の性状調査を実施。非常に評価の高かったアルバニー産の使用を決定しました』とのこと。先にこのアルバニー産の砂を導入している園田や船橋、門別競馬場へ視察に行き、評判が良かったことも変更に踏み切れた一つの要因だそうです。
今回は砂厚が変わったことも大きなポイントです。以前の大井の砂厚は8cmでしたが、事故の防止と安全性確保の観点から10cmに変更されました。
では、走破時計はどうなりそうでしょうか。10月29日と30日のレースを見ると、やはり以前の砂より約1秒以上、タイムがかかっていますね。砂厚が厚くなっていますし、使用当初はまだ砂がこなれていませんからね。なお、この砂を導入している船橋では以前と比べると、1周につき1秒程度かかるようになっています。
