競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「14年ぶりにBコースを使用する札幌芝」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週の当コラムでお伝えした通り、今年の札幌記念は変則開催となった2021年以来、4年ぶりにAコースで行われました。
そして今年は1回札幌開催の4週間でAコースを使った後、2回札幌前半2週間はBコース、最終週の3週目だけCコースとなります。というわけで、今週から2週間はBコースでレースを実施。札幌競馬場でBコースが使用されるのは2011年以来、14年ぶりになります。
札幌競馬場ではかつて、ダートコースしかありませんでした。それも左回りで1975年から右回りに変更。洋芝コースが新設され、芝のレースが始まったのは1990年からです。
そして、その札幌芝コースは2008年までAコースとBコースしかなかったのをご存知でしょうか。Cコースが設置されたのは2009年でした。
▼1990年~2008年までのコース設定
【Aコース】
1周:1640.9m
幅員:25.0~27.0m
直線:266.1m
【Bコース】
1周:1659.8m
幅員:22.0~24.0m
直線:269.1m
▼2009年以降のコース設定
【Aコース】
1周 1640.9m
幅員 25.0~27.0m
直線 266.1m
【Bコース】
1周 1650.4m
幅員 22.0~25.5m
直線 267.6m
【Cコース】
1周 1659.8m
幅員 19.0~25.0m
直線 269.1m
そもそも、現在の札幌芝コースの移動柵運用は、2009年の函館競馬場スタンド改築工事に伴って、札幌開催の日数が増えることに合わせて設定されたものでした。2011年まではAコース、Bコース、Cコースの順で使用されていました。
しかし、2012年から昨年までは、Bコースが使われることはありませんでした。その理由と、なぜ今年は使うことになったのかを札幌の馬場担当者に聞きました。
「Bコース時にカバーされる幅員は平均1.5mにとどまります。そのため、開催日数が7週間に減少した2012年以降は、傷みがよりカバーされるCコースを開催後半に設定する運用が定着していました(札幌開催は2011年までは8週間あったが、2012年以降は6~7週間の開催になった)。
しかし、例年Cコースに傷みが蓄積しやすく、それを分散させるために今年はBコースを使うことになりました。なお、来年以降の移動柵運用は今年のBコースでの実施状況を確認後、決定する予定です」