競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「開催2週目を迎える阪神芝コース」について。長年に渡り“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
先週から始まった秋競馬。秋の中山と阪神競馬場の芝コースは野芝のみなのに加えて、芝を張り替えたばかりですから、開幕週は速い時計が出ていましたね。今週は週末に2つの芝重賞が行われる阪神芝コースについてお伝えしましょう。
先週、阪神芝レースは12鞍行われ、逃げ1勝、先行9勝、中団1勝、後方1勝。ペースが流れたレースでは差しが届いていました。
阪神競馬場では5日(金曜日)に39ミリの雨が降りましたが、6日(土曜日)の朝から芝は良。ただし、土日の平均含水率は13.8%。阪神芝の平均含水率が10.2%ですから、良でも少し水分を含んだ状態でした。しかし、土曜日の1600m(3歳未勝利戦)で1分32秒6が出るなど、時計が速かったですよね。
阪神競馬場の芝コースは3回開催後にコース内側の傷んだ箇所を中心に約26500㎡の張替を実施。開催前に馬場担当者に伺ったところ、「今年は7月が暑く雨が少なかったので、張り替えた芝の生育にも少し厳しい天候となりましたが、8月に入って例年並みの雨量となり、芝は順調に生育しています」と話していました。
阪神では2021年から当コラムでも頻繁にお伝えしている、傷みにくい芝である鳥取産野芝を導入しています。鳥取産野芝はせん断抵抗値(芝のちぎれにくさを現す指標)が丈夫と言われているエクイターフに比べても引けを取らず、馬場担当者からは「鳥取産野芝は競馬で使用しても傷みにくく、丈夫な印象です」と高評価を得ています。
ちなみに、先日終了した中京競馬場の芝コースでもこの鳥取産野芝が使用されており、最終週まで内目が伸びてレコードが出るなど、比較的良い状態を保ったまま終了しました。
