今週は2022年にこの世を去った海外の名馬たちを偲びます。
▼スノーフォール 1月11日 4歳没(馬房内での骨盤骨折により安楽死)
ノーザンファーム生産、A.オブライエン調教師が管理したディープインパクト産駒の牝馬。2021年、L.デットーリ騎手とのコンビで英オークスをレース史上最大着差(16馬身)で優勝すると、愛オークス、ヨークシャーオークスもR.ムーア騎手とのコンビで連勝。同年のカルティエ賞(ヨーロッパ年度代表)最優秀3歳牝馬に選出された。
▼ルアーヴル 3月3日 16歳没(病気のため)
2009年ジョッケクルブ賞優勝(鞍上C.ルメール)。種牡馬としてアヴニールセルタンとラクレソニエールの2頭の2冠牝馬を出した。今年のマイルCSを勝ったセリフォスの母の父。
▼キトゥンズジョイ 7月15日 21歳没(心臓発作のため)
2004年の米最優秀芝牡馬。種牡馬として欧州年度代表馬ロアリングライオン、米GI・5勝のステファニーズキトゥン、今年のスプリンターズSを勝ったジャンダルムらを出した。
▼モアザンレディ 8月26日 25歳没(老衰のため)
2000年の米GI・キングズビショップS優勝馬。米国と、オーストラリアでシャトル種牡馬として供用。米国ではBCスプリント連覇のロイエイチ、米国芝GI・6勝のラッシングフォール、オセアニアでGI・8勝の名牝モアジョイアスらを出した。カフェファラオの母の父。
▼ロックオブジブラルタル 10月23日 23歳没(心臓麻痺のため)
2001年のグランクリテリウム(現ジャン・リュック・ラガルデール賞)、デューハーストS、2002年の英2000ギニー、愛2000ギニー、セントジェームズパレスS、サセックスS、ムーランドロンシャン賞とGIを7連勝し、当時の世界記録を樹立(現在はウィンクスの10連勝が世界記録)。2007年にはシャトル種牡馬として日本でも繋養された。
▼ウィジャボード 11月29日 21歳没
2004年の英愛オークス、2004年と2006年のBCフィリー&メアターフ、2005年の香港ヴァーズ、2006年のプリンスオブウェールズS、ナッソーSのGI・7勝。2004、2006年の欧州年度代表馬。ディープインパクトが優勝した2006年のジャパンカップに出走し3着(外国馬が馬券に絡んだのはこれが最後)。母としても2014年の英ダービー、愛ダービー、英インターナショナルSの優勝馬オーストラリアらを出すなど、競走馬としても繁殖牝馬としても名牝中の名牝だった。
その名を血統表に残す馬も残せない馬も、私たちの頭の中に記憶のデータベースとして留めておきたいものです。
2022/12/22 (木)
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。