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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2024/09/19 (木)

少し早くて少し詳しい凱旋門賞展望/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは「少し早くて少し詳しい凱旋門賞展望」です。


欧州競馬は、14日に日本での馬券発売も行われた愛チャンピオンS(G1・愛レパーズタウン芝2000m)、英セントレジャー(G1・英ドンカスター芝2910m)、15日には凱旋門賞と同じパリロンシャン芝2400mが舞台となるフォワ賞(G2・4歳以上)、ヴェルメイユ賞(G1・牝馬)、ニエル賞(G1・3歳)という3競走に、アイリッシュチャンピオンフェスティバル2日目のカラ競馬場では芝2800mの愛セントレジャー(G1・3歳以上)と、中~長距離路線の主要レースが一斉に行わました。

この結果、10月6日に行われる凱旋門賞への出走が見込まれるメンバーが大方出揃った一方、戦況は混沌としてきました。そこで今回は、いつものように大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」の単勝前売りオッズを参考にしながら、今年の凱旋門賞を展望していきます(情報は9/18現在)。

1番人気はソジー。ただし、オッズは「5.0倍」です。

地元フランスのアンドレ・ファーブル調教師が手掛ける3歳牡馬ソジーは、先週末のニエル賞を直線で抜け出して勝利。3着だった6月のG1ジョッケクルブ賞(仏ダービー・シャンティイ芝2100m)の優勝馬ルックドゥヴェガとの再戦で今度はルックドゥヴェガが3着に敗れ、凱旋門賞の前売りオッズも逆転しました。

ソジーを所有するのは高級ファッションブランド・シャネルのオーナーとして知られるヴェルテメール兄弟(ヴェルテメール・エ・フレール)。2012年の凱旋門賞でオルフェーヴルをゴール寸前で交わして勝利したソレミアのオーナーです。

かつては多くの凱旋門賞馬を出していたニエル賞の勝ち馬ですが、近年はまったく奮わず、ニエル賞勝ちから凱旋門賞を制した馬は、ディープインパクトが出走した2006年のレイルリンク以来17年出ていません。

凱旋門賞歴代最多8勝の名伯楽が手掛けるソジーは、ハイレベルと言われる欧州3歳世代の地元の代表として、人気に応えることができるでしょうか。

ウィリアムヒルが7.0倍で2番人気タイに評価しているのが、愛チャンピオンSの3、4着馬、シンエンペラー(牡3/矢作芳人厩舎)とロスアンゼルス(牡3/A・オブライエン厩舎)の2頭です。

愛チャンピオンSでは、上位に評価されていた地元の愛ダービー馬ロスアンゼルスを最後の最後で頭差交わし、2着馬オーギュストロダンとは3/4馬身差の3着となったシンエンペラー。

状態は「7~8割」だった上に、レース前半では初めてのコースに戸惑い、後半は地元のライバルに周りをがっちりとガードされて追い出そうにも追い出せないなど、坂井瑠星騎手が『すごく厳しいレースだった』と振り返る中での3着という結果は、大目標に向けて大いに期待が膨らむものでした。

シンエンペラーについては、矢作調教師も、坂井騎手も、2020年の凱旋門賞馬である全兄ソットサスの背中を知るC・デムーロ騎手も、『欧州の芝が向いている』と口を揃えます。愛チャンピオンS・4着から凱旋門賞を制した兄ソットサス以上の成績で、矢作調教師も『適性のある馬を連れてくれば十分に通用する』という手ごたえを掴んだということです。

評価はG1タイトルがない分なのでしょうが、フランス滞在と上積み分を見込めば、ロスアンゼルスよりも上位と見るのが妥当かと思います。

11月のBCクラシックでも、フォーエバーヤングとシティオブトロイという2頭で激突する見込みの“世界の矢作”と“世界のエイダン”。レパーズタウンに続きパリロンシャンでも激しい火花が散りそうです。

そんな2頭に続くのが、先週まで1番人気だったルックドゥヴェガ(牡3/仏 カルロス&ヤン・レルネール厩舎)。オッズは7.5倍と上位馬とは差がありません。

ニエル賞で3着に敗れ、デビュー4戦目で初黒星を喫したルックドゥヴェガですが、陣営はジョッケクルブ賞(仏ダービー)以来3か月半ぶりで余裕残しの状態だったことや、ロナン・トーマス騎手がノーステッキだったことを念頭に、馬には自信があり、『3週間後には100%に仕上げる』と強気です。

ニエル賞の直線で伸びを欠いた理由が「距離の壁」でなければ、巻き返してくる可能性は大いにありそうです。

続くオッズ11.0倍の評価には、ニエル賞でソジーと1馬身半差の2着(3着ルックドゥヴェガとは2馬身差)だったデリアスと、ヴェルメイユ賞を勝ったブルーストッキングが並んでいます。

デリアス(牡3)はクールモアが所有する地元フランスのフランケル産駒。クリスチャン・デムーロ騎手が騎乗した7月のG1パリ大賞(パリロンシャン芝2400m)ではソジーと2馬身差の3着でした。管理するのは癌で闘病中というジャン・クロード・ルジェ調教師。近年、2020年のソットサス(シンエンペラーの兄)と去年のエースインパクトで凱旋門賞を2勝しています(鞍上はいずれもC・デムーロ)。

一方、12頭が揃ったヴェルメイユ賞では2番手追走からフォルスストレートで先頭に立ち、そのまま押し切ったブルーストッキング(牝4/英 ラルフ・ベケット厩舎)。G1ナッソーSで逃げ切り勝ちしていたエイダン・オブライエン厩舎のオペラシンガーや、ナッソーSでは3着だったG1ディアヌ賞(仏オークス・シャンティイ芝2100m)の勝ち馬スパークリングプレンティらが揃った中での勝利はさすがでした。

ブルーストッキングが凱旋門賞に出走するには追加登録が必要ですが、R・ベケット調教師は、『状態がよく、関係者全員の同意が得られれば』という条件付きで追加登録に含みを持たせているようです。

キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)での2着の走りや、強力なメンバーだったインターナショナルS(4着)でも上位評価されていたことを考えると、もし追加登録されれば人気も急上昇するでしょう。ジャドモンドの4歳牝馬の動向に要注目です。

キーファーズが共同所有し、自身11度目の凱旋門賞騎乗となる武豊騎手とコンビを組むことが決まっているアルリファー(牡4/愛 ジョセフ・オブライエン厩舎)は13.0倍という評価です。

21歳の若武者ディラン・マクモナグル騎手が手綱をとり、2着馬を5馬身ちぎった前走8/11のG1ベルリン大賞(芝2400m)のパフォーマンスは圧巻でした。ベルリン大賞の勝ち馬からは、近年、トルカータータッソやアルピニスタといった凱旋門賞馬が誕生しており、日本のレジェンドジョッキーが悲願を達成するチャンスは十分にあると言っていいでしょう。

その他では、15日に行われたG1愛セントレジャーを快勝したガリレオ産駒の6歳馬キプリオスも、レース後に管理するA・オブライエン調教師が凱旋門賞挑戦を検討していると明かしたとの報道があり、ウィリアムヒルのオッズも17.0倍に跳ね上がっているほか、ヴェルメイユ賞で2着に逃げ粘ったアバンチュール(牝3/仏 クリストフ・フェルラン厩舎)も同じく17.0倍のオッズです。

また、去年はニエル賞を勝って凱旋門賞に臨んだものの11着に敗れたドイツ調教馬ファンタスティックムーン(牡4/サラ・シュタインベルク厩舎)も、管理する女性トレーナーとは私生活でもパートナーのレーヌ・ピーヒュレク騎手を背に2年連続で参戦する予定です。今年は前走でバーデン大賞(芝2400m)を勝って去年のドイツダービー以来のG1タイトルを手にしての臨戦で、オッズは21.0倍の評価です。

あとは、コンティニュアス、オペラシンガー、スパーキングプレンティーらアークトライアルデーで低調に終わり評価を下げた実績馬や、12F戦は未経験ながらマイル~中距離路線でG1を3連勝しているマルキーズドセヴィニエらの出否も気になるところです。

第103回凱旋門賞。すでに日本での馬券発売も発表されている大混戦模様のレースは、10月6日の夜です。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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