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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2025/03/27 (木)

毎日杯とクラシック/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ

競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。

今回のテーマは「毎日杯」です。



今回は土曜日に行われる毎日杯を取り上げます。

1954年に創設された毎日杯は今年で72回目という歴史を誇り、第1回から第53回までは阪神競馬場の芝2000m戦、阪神競馬場に外回りコースが設置された2007年以降は芝外回り1800m戦で行われています。

1970年の第17回まではダービー直後の時期(6月)に行われていましたが、1971年以降は3月に移動し、皐月賞の前哨戦と位置づけられ、関西馬たちの“東上最終便”などと呼ばれました。

6月施行最終年の優勝馬ダテテンリュウは菊花賞を勝ち、毎日杯の優勝馬が初めてクラシック競走を勝利しました。3月移動後も、1971年の優勝馬ニホンピロムーテーが菊花賞、1977年の優勝馬ハードバージが皐月賞、1979年の優勝馬ハシハーミットが菊花賞を制し、70年代には優勝馬から4頭のクラシックホースが誕生しています。

毎日杯の位置付けに変化が見られたにのが1996年。新設された5月のNHKマイルCに毎日杯から向かうローテーションが確立され、第1回のNHKマイルCも毎日杯の優勝馬タイキフォーチュンが制しました。その後も毎日杯の優勝馬は2001年のクロフネ、2004年のキングカメハメハ、距離変更後の2008年ディープスカイ、2010年ダノンシャンティの5頭がNHKマイルCを制しています。

一方、1999年の優勝馬テイエムオペラオーは前出のハードバージ以来22年ぶりに毎日杯優勝馬として皐月賞を制しました。皐月賞を制した毎日杯優勝馬は、2017年のアルアインと合わせ3頭のみです。

2007年のコース改修で距離こそ短縮された毎日杯ですが、外回りで直線が長くなったこともあり、近年は複数のダービー馬を輩出しています。

2004年に毎日杯優勝馬として初めてダービーを勝ったキングカメハメハは距離変更前でしたが、距離変更後の2008年にディープスカイが同じくNHKマイルCとダービーの変則二冠馬となり、2013年はキズナ、2021年はシャフリヤールが毎日杯を勝利した後にダービー馬の栄誉に輝きました。

さて、毎日杯の優勝馬の中には、制度上の理由でクラシック競走に出走することすら叶わなかった馬もいました。1988年の優勝馬オグリキャップです。

地方12戦10勝(2着2回)の戦績で笠松から中央に移籍してきたオグリキャップの中央2戦目が毎日杯でした。中央初戦のペガサスステークス(今年からチャーチルダウンズカップに改称されたアーリントンカップの前身)を2番人気ながら3馬身差で完勝したオグリキャップは、移籍2戦目となる毎日杯も、重馬場の中、前走と同じく河内洋騎手を背に勝利し移籍2連勝としました。

オグリキャップの毎日杯の優勝レイ(優駿記念館)
▲オグリキャップの毎日杯の優勝レイ(優駿記念館)


毎日杯を優勝したオグリキャップは皐月賞出走のための本賞金額では優位に立ちました。しかし、中央で走らせるつもりがなかった笠松時代のオーナーはクラシック登録をしておらず、オグリキャップは皐月賞やダービーには出走できなかったのです。この年の皐月賞は毎日杯で4着だったヤエノムテキが制したのでした。

1992年、オグリキャップの一件をきっかけにクラシック競走の追加登録制度が導入されました。これにより、通常登録3回分の5倍の額に当たる200万円を支払うことでクラシック競走への出走が可能になったのです。
そして、1999年。200万円の
追加登録料を支払い皐月賞に出走した毎日杯の優勝馬テイエムオペラオーは見事レースを制し、クラシックホースとなったのでした。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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