競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「続・1本の大きなイチョウの木」について。
1年程前の当コラムで1本の大きなイチョウの木を取り上げたのを覚えているでしょうか。
日本を代表する競走馬生産グループ「社台グループ」の原点とも言うべき「千葉社台牧場」、のちの「社台ファーム千葉」があった場所で当時から愛されていた“新木戸の大銀杏”と、社台グループ発展の物語を紹介させていただきました。
▼2024.11.28公開
新木戸の大銀杏/競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
去年は葉が黄色に色づく時季を狙って11月中旬に訪れたのですが、まだまだ緑色の葉が生い茂っているというまさかの結果に。今年こそは黄色く映えている大銀杏が見たいと思い、今月上旬、千葉冨里へ車を走らせました。
約1年ぶりに見た大銀杏の葉は美しい黄色に染まっていたものの、3~4割の葉は散ってしまっていました。その分、地面いっぱいに敷かれた黄色い絨毯も愛でることができました。
▲新木戸の大銀杏
再びこの場所を訪れたかった理由はこれだけではありません。約1年前のコラムでは「社台グループの原点の地だったという説明書きや痕跡はない」と紹介したのですが、実は大銀杏がある公園が開園15周年を迎えた今年、地元の観光協会や馬事協会、商工会、農協などからなる実行委員会によって、この地に牧場を拓いた故・吉田善哉氏と愛馬ノーザンテーストの等身大のモニュメント像が建立されたのです。
建立されたモニュメントは、北海道苫小牧市のノーザンホースパークにあるブロンズ像「ポケット」と同じデザイン。堤磐夫氏による作品で、偶然にも約1年前のコラムでも写真を掲載していました。ポケットに愛馬へのご褒美をそっと忍ばせた等身大の善哉さんの優しいまなざしが印象的な心温まる作品です。
▲吉田善哉氏とノーザンテーストの等身大像
また、モニュメントの傍らには解説看板も設置されていました。この場所が社台ファームの跡地であったことの案内や、牧場があった当時の地図なども紹介されていて、大変興味深く拝見しました。
▲設置された解説看板
社台グループの始まりの場所・千葉冨里。この地に社台ファーム創業者・吉田善哉氏と大種牡馬ノーザンテーストの等身大像が建立され、そのまなざしの先にはグループの繁栄を表すかのように枝葉を広げた大銀杏が・・・。
「新木戸大銀杏公園」に一歩足を踏み入れれば、往時にタイムスリップすることができます。東関東自動車道の冨里ICを下りてすぐの場所です。ぜひ一度、訪れてみてください。
▲吉田善哉&ノーザンテースト像と新木戸大銀杏
