★今週の重賞ピックアップ★
2月27日中山11R 中山記念(芝1800m)
中山記念は中山芝1800mで施行。スタンド前直線半ばの急坂からスタートし、初角となる1コーナーまでは200mほどしかありません。
中山は小回りコースではあるものの、芝が比較的荒れやすいため、トータルでみると内外の有利不利は少なめ。しかし、このレースは開幕週に行われる上に、初角までの距離も短いため内枠が有利で、外外を回る差し馬は苦戦しています。
実際、このレースを振り返ってみると人気薄の逃げ残りが目につきます。個人的に印象深いのは、05年06年に連覇を果たしているバランスオブゲーム。特に06年はハナを奪うとダイワメジャーに5馬身差をつける圧勝でした。このことが示唆しているのは、「力よりも位置取り」ということ。ポジション差を生かして格上馬を完封する、そんな逆転劇がしばしば発生します。
ただし、今年はコントラチェック、トーラスジェミニ、パンサラッサと逃げ候補が3頭もいる点が厄介。先行馬同士であれば折り合うこともありますが、逃げにこだわるタイプが揃うと、どうしてもペースは引き上がりがちです。
展開的には、この3頭を見る形で、その直後で脚をためられる馬にアドバンテージがありそう。その候補はアドマイヤハダル、ウインイクシード、ヒュミドールなど。特に、前走でもハイペースの6番手でしっかり脚をためて伸びてきたヒュミドールに魅力を感じています。
1番人気が予想されるダノンザキッドは当然、有力候補。クラシック戦線を引っ張ってきた一頭。ハイレベルと言われる明け4歳馬の活躍ぶりをみても大崩れのシーンは考えにくいところです。
現時点で想定される狙えるパターンとしては、①逃げ馬の前残り、②逃げ馬の直後からの好位差し、③しっかり脚をためた差し馬、のいずれか。速いペースが見込まれるので、捲りがハマる可能性は低そうです。
いずれにしても枠順と並びが大きな鍵を握ります。逃げるにしても差すにしても外枠はマイナスですし、逃げ挟みが発生すれば、その馬が恵まれる可能性は高まりますので、枠順に応じて、どのパターンが最も期待値が高いかを、しっかり吟味したいと思います。
【当日注目馬】
4ヒュミドール
5パンサラッサ
6レッドサイオン
7ウインイクシード
15ダノンザキッド
16ワールドウインズ
土曜の競馬を見たところ例年通り内を通れる先行馬から狙う方向性で良いと判断し予想を組み立てます。激しくなるだろう先手争いは内目の枠を引けたことによりパンサラッサが制する事を前提として予想しました。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言17
『人気薄馬の前走内容の変化を見逃すな』
★ピックアップレース★
2月19日東京11R ダイヤモンドS(芝3400m良)
注目馬:14ランフォザローゼス
─京都記念のアフリカンゴールド(12番人気1着)に続き、ダイヤモンドSでは11番人気2着の14ランフォザローゼスに◎。○9テーオーロイヤルで、馬連166.7倍の大本線的中となりました。
みねた) これは会心でしたね。14ランフォザローゼスが前走でみせた変化の兆しに、しっかりと気付けたのが良かったです。
─直近5走が、13着→8着→17着→8着→10着。前走の白富士Sも1.1秒差の10着で、特に目に付く要素は無さそうなのですが…。種明かしも兼ねて、このレースの思考について教えてください。
みねた) このレースは東京コースの最長距離戦。長い直線も相まって、人気馬は強気に動きにくいという構造があります。仮に人気馬が逃げたとしても、どうしても脚を残したいという意識が働くので、ペースは上がりません。これまでにも何度かお話ししましたが、スローペースで恵まれるのは前に行く馬か捲る馬です。
─前回の金言16で、「アフリカンゴールドの逃げ切りを狙ったのは、道中で捲ってきそうな馬がいなかったから」とおっしゃっていましたね。
みねた) そこで捲りを打てそうな馬、すなわち道中で位置取りを上げていっている馬をチェックすると、前走の通過順位が7-7-4-4の13ゴーストと7-4-2の14ランフォザローゼスに目がいきます。
─とはいえ、14ランフォザローゼスに◎を打つのは難しいように思います。前走でも捲ったものの、最後は10着に沈んでいますし。
みねた) 戦績の冴えなかった馬が、前走で全く違う競馬をみせたら注意が必要です。特に、「差し馬だったのに前走で逃げた」「道中で置かれがちだった馬が捲った」など、普段よりも前がかりの競馬をした場合、馬が変わってきている可能性があります。
─冒頭でおっしゃっていた「変化の兆し」とは、位置取りの変化だったんですね。
みねた) 捲りというのは、外を回って他の馬を抜いていくので、力が必要です。このところ、コーナーで置いていかれる競馬が続いていた14ランフォザローゼスが、白富士Sでは道中で積極的に動き、4角2番手から直線では先頭を窺う競馬。もともとクラシック戦線で活躍した実力馬で、この前向きな走りに復調気配を感じ取りました。
─ありきたりな言い方ですが、「次に繋がる競馬」だったということですね。
みねた) 仮にそのレース自体では結果が出ていなくても、馬自身に前向きさが出ているのは確かで、今までにやっていない競馬をしたという経験値を積んだわけですから、人気薄であれば引き続き注目した方がいいでしょう。
─みねたさんは、レースのペース判断のために「前走の通過順位に3番手以内がある馬」をカウントされているように、「前走」を非常に重視していますよね?
みねた) 前走で短い距離を走った馬は今回もダッシュが利きやすいし、前走で控えていた馬は、今回もゆったりと走る可能性が高い。大半の馬は前走をトレースした走りをします。それならば、何週間、何ヶ月も前の記録をみるよりも、直近の記録を見る方が信憑性が高いですよね。また、馬券的な見地で言えば、何かひとつ普遍的な基準を持った上でアレンジすることが重要です。私にとっての基準は隊列の判断において「1走前しか考えない」でした。
─私なんかは、ついつい2走前や3走前をみて、自分に都合の良い解釈をしてしまうことが多いです。前走で出遅れた逃げ馬に対して、「2走前、3走前に逃げているのだから、今回は逃げてくれるだろう」みたいな。
みねた) 逃げ馬が逃げられなかった場合、例えば年齢的な衰えが出ている可能性があります。競走馬のピークの時期は短いので、反射神経が衰えたことで出遅れたのかもしれない。もし衰えが原因であれば、今走でも出遅れたり、ダッシュがつかない可能性は十分にあります。過去のレースも必ず振り返りますが、基準を持った上で何故そうなったかを考える事が重要です。基準がぶれると自分が買いたい馬を買うために都合の良い解釈をすることが多くなります。
─話をダイヤモンドSに戻すと、14ランフォザローゼスは捲りを打たなかったものの、直線で2着に追い込んで波乱を演出しました。
みねた) 距離が延びて、より捲りをうちやすくなるという想定でしたので、外を回って直線だけで差してくるのは意外でしたが、それだけランフォザローゼスが充実していたということでしょう。
─長距離ならではの狙い方をお聞きするつもりでしたが、話が思わぬ方向に進みました。
みねた) 「長距離ならでは狙い方」というよりは、特殊条件で予想がしづらい分、オッズ的な妙味が生じやすいのは確かでしょうね。
普段、1200mから1400mに替わる時でさえ、「1ハロン延びるのがどうか?」と疑問視するのに、このレースにおいては「2400mで結果が出ているから3400mも大丈夫だろう」みたいな判断がまかり通っています。でも冷静に考えたら、1000mも距離が延びて、それをこなせるかなんて分からないじゃないですか。
不確かな適性の有無に賭けるよりも、いつも通り、隊列から恵まれそうな馬を探した結果、その馬の世間の評価が低かった、ということです。